メリー

「コンビニにいるけど何かいる?」って愛だと思う。愛されていると感じた瞬間って?

なんだか胸がぎゅんとした。

講義終わり、家に寄るって彼からの連絡。

もう何度目かもわからない、私と彼にとっては何気ない一日。

ーピコン、と電子音。

「コンビニいるけど何かいる?」のメッセージ。

なぜかわからないけど、無性に愛おしく感じた。

上手く説明できないけれど、些細な日常に、瞬間に、私がいるんだなって。

ああ、そういえばあの時も、この時もそう感じることがあった。

愛されていると感じた瞬間■迷ったら、はんぶんこ優柔不断なわたし。

いつもメニュー決めは大変。

「どっちで迷ってるの?」「これとコレ」「じゃあコレ頼むから、それ頼みなよ」って。

わたしが食べたいものがふたつあると、彼はいつもそうしてはんぶんこしてくれる。

「俺も両方食べられるからいいよ」なんて。

なんか、うん。

ずるいね。

■些細な変化に気付いてくれる「あれ、リップ変えた?」それが全てかと聞かれたら、決してそうではないけれど。

些細な変化に気付いてくれるのはやっぱり嬉しい。

全部気付いてほしいだなんて思わないけど、彼に可愛いって思われたくて買った新しいリップは、彼に褒められて初めて意味をなすものだと思うから、胸が踊るほど嬉しいんだ。

■バイバイしたのに、すぐ連絡がくる「じゃあね」って、永遠の別れではないのに、別れ際はいつも寂しい。

「今日も楽しかった」って彼から連絡が。

いつも、別れてからすぐに連絡をくれる気がする。

別れ際が名残惜しいのも、すぐに繋がっていたくなるのもわたしだけじゃない気がして。

心が満たされるんだ。

■好きなものを覚えててくれる「そういえば、あれ好きだっていってたよね?」近くに美味しいお店ができたらしいから、行く?って一言。

覚えててくれたんだ、って頬が緩む。

ガタンゴトンと電車が揺れる。

揺れるたびに、気持ちが膨らむ。

あたしは彼が好きなものをいくつ知ってるのかな。

これじゃあ一生勝てっこないね。

■お互いに電話が切れない時「明日、早いんでしょ?」「……うん」「もう切る?」決定権をわたしに与えるのはずるいね。

もう切る?だなんて、答えようのない問いかけに黙り込む。

このままじゃらちがあかないから、せーので切ろうだなんて。

「せーの、」よくある話の、よくある展開。

けれど自然に口角が上がって、心がじんわり温かくなるのはあたしだけなのかな。

■ふいに写真を撮られた時「パシャっ」シャッター音が聞こえて振り返る。

彼は何食わぬ顔をして、隣を歩き始めた。

「撮ったでしょ」「うん、撮った」「いつも写真に写ってくれないくせに自分だけずるい!」だって、可愛いから仕方ない。

なんて、ね。

重さより、深さ確かな言葉は減ったかもしれない。

けれどいつだって愛されていると感じさせてくれる瞬間がそこにはあった。

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