「わたしさえ我慢すれば彼とラブラブでいられる」は間違い
ふだんから何かにつけ我慢するクセのある人って、たとえば彼氏に浮気されて彼氏が逆ギレしたとき「わたしさえ我慢すればこの修羅場がおさまるのだから、彼氏の浮気を許して、何もなかったかのように交際を続けよう」なんて考えたりすると思うんですが、それって、さらなる不幸を呼んでくるだけだったりするんですよね。
もちろんあなたが我慢してでも彼と付き合い続けたいのであれば、それで全然かまわないんですが、でもそうであっても、心のどこかで「わたし、なんか違うことしてるなあ」と、心寒くなるときってありますよね。
ないですか?writer:ひとみしょう■我慢している人は淋しさをたくさん抱えている人淋しさをたくさん抱えている人って、なにかにつけわりと我慢しがちで、たとえば親とうまくいっていない人はほぼ間違いなく淋しさを多めに抱えていて、そういう人の恋には我慢がつきまといます。
これはなにも親にだけ原因がある話ではなくて、あなたの「記憶違い」が原因であることもあります。
たとえば親が厳しかったという記憶が強いとどうしても、オトナになっても心に隙間風が吹き抜けると思うんですが、じつはよくよく思い返してみると、親は厳しい時もあったけど、すごく優しい時もあったという「記憶違い」に気がつけば、淋しさが消えていってくれることもあります。
親とはうまくいっているのだけれど、なぜか淋しさを感じる人というのは、自分が「本当は」なにをしたいと思っているのか、自分でわからない状態だったりすると思うんですが、そういう人の恋愛にも我慢が絶えずつきまといます。
就きたい仕事があるのに就けず、意に染まない仕事をしている人の心にも淋しさは多めに宿るから、そういう人も誰かに恋すれば、我慢とセットで恋するしかないです。
淋しい人って、なにをやるにしても、つい相手の顔色をうかがってしまうんですよね。
相手の顔色などうかがわず、たとえ彼と反対の意見であっても「わたしはこう思う」というのを、さらっと言ってしまえばそれで淋しさはいったん消えてくれるのですが、でも淋しい人ってそれができないから、ずっと我慢することになって、結局誰と付き合っても長続きしないとか、そういうことになるんですよね。
■「わたしが我慢しなくなれば彼とラブラブになれる」が正解タイトルに書いた「わたしさえ我慢すれば彼とラブラブになれる」という考え方をしている人もいると思うんですが、あなたが彼に対して何かを我慢している限り、残念ながら心から「わたしたちラブラブでしあわせだね」と思える状態になることはないです。
我慢している人って、自己肯定感が低い人です。
つまり自分で自分のことを好きになれていない人で、そういう人は相手に軽く扱われるのが世の常だからです。
なので、本当は、「わたしが我慢しなくなれば彼とラブラブになれる」というのが正解なんです。
彼の前で我慢しないだけではなく、日常生活のあらゆるシーンで、これまでやってきた我慢を捨てることを意識するところからはじめると、やがて彼氏の前で自分が思っていることを素直に言えるようになって、あなたのそういう状態がふたりをラブラブの園へと運んでくれるのです。
■あなたの恋愛は豊かな大地に向かって開けていくからじつは恋愛にまつわる多くのトラブルの原因は淋しさにあります。
それなりにスクスクと育ち、過度に淋しさを抱えることなくオトナになり、めぐり会えた仕事に就いて、その仕事にそれなりに満足していて……という人には、もしかしたら「なんのこっちゃ?」という話に聞こえるかもしれないけれど、それでも恋愛におけるトラブルの多くは淋しさに起因しています。
淋しさって、「よし、淋しさを消そう」と思っても消えていってくれない感情だからすごくやっかいだし、意志の力で消せる淋しさについて書いてある本は山のようにあっても、消したいと思っても消えてくれない淋しさの扱い方を書いてある本って、ホントに少ないので(かろうじて素人が読める心理学の専門書にもあまり書かれていない)、消えてくれない淋しさを抱えている人には、本当に同情したくなります。
でもね、ふだんの生活の些細なことからやっていくといいです。
些細なことを我慢しないことから始める!こう決意した時から、あなたの恋愛は豊かな大地に向かって開けていくから。
(ひとみしょう/作家)『今夜はちょっと、恋の話をしよう』(ハウコレ編集部)