大根の中が青くなってるのはなぜ?原因から防ぐ方法まで徹底解説!
生で食べても、煮ても焼いてもおいしい大根。
1本買えばいろいろな食べ方を楽しめて、これからの寒い季節にはとくにもってこいの野菜ですよね。
しかし、いざ料理をしようとカットしたら、中が「青い」! なんてことがあるんです。
この青は、緑ではなく正真正銘のブルー。
見た瞬間ギョッとするような色です。
「これ腐ってる?」「食べられるの?」なんて疑問が浮かぶのも当然といえるでしょう。
なので、今回は大根の中身が青くなってしまう原因から対処法までバッチリご紹介いたします。
©https://www.photo-ac.com目次 [開く][閉じる]■大根の中身が青い原因は?■大根の中が青いものは食べられる?■青い大根向きの調理方法■大根の中が青いかどうか見分ける方法は?■大根の中心が青くなるのを防ぐ保存のポイント■大根のおすすめの保存方法とそれぞれの賞味期限■食べてはいけない大根の特徴は?■フードロスをなくそう■大根の中身が青い原因は?大根の中身が青くなってしまう現象は、「青あざ症」もしくは「青変症」、「青芯症」などと呼ばれている生理障害です。
カビや毒素のせいではないので、ひとまず安心してください。
大根の中身が青くなってしまう原因はいくつかありますので、簡単にご説明しましょう。
・栽培地の温度©https://www.photo-ac.com大根の旬は冬なので、寒さには強いですが暑さには弱い野菜です。
高温が青あざ症になってしまう原因の1つと考えられています。
品種改良により夏でも収穫できるようになった大根ですが、栽培後半に気温が25℃以上になると青あざ症が発生しやすいようです。
また、収穫後でも保存温度が20℃を超えてしまうと同じく青あざ症になってしまう可能性があります。
・大根が苦手な保存環境©https://www.photo-ac.com大根は、高温だけでなく乾燥や多湿もとても苦手です。
買った直後は青くなくても、保存環境が悪いと青あざ症になってしまう可能性があります。
大根を保存する際は適切な方法で保存するように心がけましょう。
・ホウ素の欠乏大根はホウ素が欠乏すると、さまざまな生理障害を起こします。
その1つが青あざ症です。
収穫前に雨が降り続いてしまうと、土壌からホウ素が流れてしまい、結果的に大根にホウ素が十分にいきわたらなくなってしまい青あざ症を引き起こします。
・アントシアニンの反応©https://pixabay.com/大根に含まれるアントシアニンという色素が、大根のアルカリ性に反応して白かった部分が青くなってしまうこともあるようです。
ポリフェノールの一種である天然色素のアントシアニン。
ブルーベリーなどに多く含まれている印象ですが、じつは白い大根にも含まれていたんですね。
■大根の中が青いものは食べられる?自然の食品の中に「青」は少なく、逆にカビなどの人体に害をなす色という固定概念から、「青」は食欲を減退させる色とされています。
しかし、前述でご紹介したとおり、青あざ症にかかった大根も工夫しだいでまだ十分においしく食べられるので諦めないでください。
©https://www.photo-ac.com・軽症の場合少し苦味が強くなり、やや芯が硬くなる傾向がありますが、問題なく食べられるでしょう。
しかし、そのままでは見た目は青いままなので、ひと工夫加えて食べることをおすすめします。
苦くなってしまった大根は、火を通すと味や色に変化が起き、食べやすくなりますよ。
・症状が進行している場合症状が進行すると、苦味や固さが強くなってしまいおいしく食べるのは難しくなってきます。
また、ヌルッとしていたり、ぶよぶよしていたりする場合は本当にカビが生えていたり、腐っている可能性があるので、食べるのはやめた方が無難です。
青あざ症になった大根は、早めに消費するように心がけましょう!■青い大根向きの調理方法青あざ症になってしまった大根の問題は、「色」と「味」と「食感」です。
この3つをどう攻略するかが、キーポイントといえるでしょう。
料理の見た目は、心理効果により味にも影響を及ぼすので、見た目くらいとあなどってはいけません。
少しの工夫で改善できる部分もあるので、捨てるまえに以下の方法をまずは試してみてください。
・大根おろしにする©https://www.photo-ac.comすりおろすことで色が気にならなくなり、硬い食感も軽減されるのでおすすめです。
熱に弱い栄養素を多く持つ大根は、本来皮のまま生で食べるとより多くの栄養素を無駄なく摂取することができますが、青あざ症になってしまった大根は生のままだと苦味や辛みが気になります。
なので、みぞれ煮やあんかけなんかにしたりして軽く火を通すと味の面でも食べやすくなるでしょう。
ハンバーグや肉団子のかさましにしてもいいですし、片栗粉と混ぜて焼けば大根餅にもなります。
もし、作りすぎてしまったときも冷凍保存すればいいので安心ですね。
・煮物にする©https://www.photo-ac.com大根の調理法として、煮物は定番でしょう。
濃い茶色の醤油の色が大根の青さをうまく隠してくれるうえに、じっくり煮込むことで固さも気にならなくなります。
また、下ごしらえとして米のとぎ汁で茹でておくと、さらに苦味が抜けておいしく食べられます。
これは、青あざ症になった大根に限ったことではありません。
大根に含まれているジアスターゼという酵素と米のとぎ汁に含まれているでんぷんの作用で、大根の苦味がやわらぎ甘味が引き立つとされています。
ただ、大根に多く含まれる栄養素であるビタミンCは水溶性で、長く煮込んでいるとせっかくの栄養素が煮汁に溶け出してしまいます。
なので、汁ごと食べられるお味噌汁やポトフなんかの洋風スープにするのもおすすめですよ。
加熱しただけでも青みはある程度ひくので、様子をみながら調理しましょう。
どうしても色味が気になるようであれば、伝家の宝刀「カレールー」に頼りましょう。
カレールーが、大根の色味も苦味も打ち消してくれるはずです。
■大根の中が青いかどうか見分ける方法は?困ったことに青あざ症は切ってみるまで誰にもわかりません。
だからこそ市場に出回ってしまうのでしょう。
ある意味賭けとも言えますが、選び方には多少コツがあるので以下を参考にしてみてください。
・新鮮な大根を選ぶ©https://pixabay.com/大前提として、まず「新鮮」なものを選びましょう。
鮮度が高い大根は青あざ症になっていない可能性が高いです。
新鮮な大根の表面は適度にツヤとハリがあり、葉も青々としています。
また、ずっしりと重いのも乾燥しておらず水分がしっかり残っている証拠といえるでしょう。
・カットされたものを選ぶ©https://www.photo-ac.com切ってみるまでわからないとご説明しましたが、なら逆に切ってあるものであれば、中身をチェックしてから買うことができます。
あらかじめカットされていれば、その断面から変色しているかどうか多少は判断できますよね。
とくに、大根が青あざ症になりやすい夏場はカットしてある大根の購入を積極的に検討してみてもいいでしょう。
・断面に鬆(す)があるものを避けるカットした大根を買う場合は、断面をよく見て判断してください。
新鮮な大根は、断面もキメが細かくみずみずしいのが特徴です。
また、「鬆(す)」と呼ばれる内部が割れてできた隙間や亀裂の入ってるものは、水分が抜けて鮮度が落ちている可能性が高いので避けるのがベターです。
・新芽が生えたものを避ける©https://www.photo-ac.comまた、葉が生えている部分もよくチェックしてみてください。
葉のあいだから新しい芽が出ていたり、真ん中が太く伸びている場合は成長しすぎなので、食べ頃をすぎた大根といえるでしょう。
・ひげ根が短いものを選ぶ©https://pixabay.com/ひげ根は、地中で水分や養分を吸い上げるために出る根のことです。
栽培環境がよかった大根は、ひげ根が少ないのが特徴です。
また、収穫後もひげ根は伸びるので、ひげ根が長く伸びているものは鮮度が低いと判断できます。
■大根の中心が青くなるのを防ぐ保存のポイント大根が青あざ症になってしまう原因は前述でもご紹介したとおり、栽培環境だけでなくその後の保存方法にもあります。
買ってきたときは新鮮な大根でも、保存方法次第でその後青あざ症になってしまう可能性もあるので保存方法には注意が必要です。
鮮度を保つことが、青あざ症を避ける手段にもなるでしょう。
・葉は切り落とす©https://www.photo-ac.com葉付きで買った場合は、できるだけ早く葉を切り落としてください。
葉が付いたままだとどんどん葉に栄養が奪われてしまい、根の部分が萎びてしまいます。
カブなどの葉付きの野菜も同様です。
ちなみに、大根の葉は根より栄養豊富なので、こちらも捨てずに食べることをおすすめします。
・高温・多湿・乾燥を避ける©https://unsplash.com/大根は水分が多いのが特徴です。
新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、乾燥から大根の水分を守ってあげましょう。
また、大根は冬の野菜なので、高温多湿にも弱いです。
なので、冬場なら常温でも大丈夫ですが、夏場なら冷蔵庫で保存してください。
・立てて保存する切り分けた大根は、新聞紙やラップなどで包んで乾燥を防いだのち、立てて保存するのがいいでしょう。
野菜を長持ちさせる秘訣は、その野菜の栽培環境を再現してあげることです。
野菜は収穫後も成長しつづけているので、それを邪魔してしまうと無駄なエネルギーがかかり、その分の養分が減ってしまいます。
大根は下に下に伸びる野菜なので、立てて保存してあげると長持ちしますよ。
■大根のおすすめの保存方法とそれぞれの賞味期限大根の保存のポイントをふまえたうえで、今度は実際に使いやすいように保存する方法をご紹介しましょう。
作りたい料理や部位に合った下ごしらえをしておけば、その後の調理のハードルがぐっと下がりますよ。
・冷蔵庫で保存する場合©https://www.photo-ac.com前述では立てて保存するのがよいとご紹介しましたが、冷蔵庫の中で大根を立てて保存するのは至難の技ですよね。
なので、この場合は、葉に近い部分、真ん中、根の部分と大根を3つに切り分けて、それぞれをラップでしっかりと包んだのち、立てて保存しましょう。
空の牛乳パックやペットボトルを使えば、簡単にまっすぐ立てて保存することができますよ。
こうすれば、1〜2週間のうちはおいしく食べられるでしょう。
・カットして冷凍庫で保存する場合すぐには使いきれない場合は、冷凍保存もおすすめです。
冷凍すると食感は若干変わってしまいますが、長く煮込まなくても味がしみこみやすくなるのでプラスの効果もあります。
大根を使いやすい大きさにカットして、塩もみして余分な水分を抜いてから保存袋に入れて冷凍保存してください。
また、固めに茹でて冷ましたのち、表面の水気をしっかり拭いてから保存袋に入れて冷凍しても○です。
おおよそ1ヶ月くらいのあいだおいしく食べられます。
・おろして冷凍庫で保存する場合©https://www.photo-ac.com大根は、おろした状態でも冷凍保存することができます。
その場合は、保存袋に大根おろしを入れて、できるだけ平らな場所で薄くなるように凍らせましょう。
そうすれば、あとからでも使いたい分だけパキッと折って使うことができるので、とても便利です。
製氷機などに入れて凍らせるのもアリですね。
こちらもカットして冷凍したとき同様1ヶ月程度はおいしく食べることができます。
■食べてはいけない大根の特徴は?青あざ症の大根は食べても大丈夫ですが、以下の状態の大根は念のため食べるのはやめた方がいいかもしれません。
もったいないですが、お腹を壊してしまったら元も子もありませんよね。
大事なのは、新鮮に使いきれる量を見極めて買い物することでしょう。
・見た目の変化©https://pixabay.com/中身が黒くなっている場合は、「ダイコンバーティシリウム黒点病」といって青あざ症とはまた違った病気になっている可能性があります。
ダイコンバーティシリウム黒点病は、大根だけでなく多くの作物で見られる病気で土壌のカビが原因です。
しかし、その部分を大きめに取り除けば食べられるでしょう。
また、中身がりんごの蜜の部分のように透明になっている場合は、「大根の水晶現象」が起きている可能性が高いです。
青あざ症と同じく保存状態が悪いと起きる現象で、おもに夏場に発生します。
こちらも問題なく食べられますが、残念ながら味は落ちている場合が多いようです。
青くなっていても黒くなっていても透明になっていても一応食べられる大根。
しかし、茶色く変色して変な汁が出ていたら腐りかけているので潔く処分する方がよいといえるでしょう。
これは明らかな腐敗なので、もったいないですが捨ててください。
・臭いやぬめりの有無©https://pixabay.com/すっぱい匂いも腐りかけのサインです。
また、切り口を触ってみてヌルッとしていたり、ぶよぶよとへこんだりするようであれば、菌が繁殖しているので食べないでくださいね。
■フードロスをなくそう©https://www.photo-ac.com大根の中身は青くなってしまうこともあるなんて驚きだし、青くなっても食べられるなんてもっと予想外でしたよね。
知らなければ、うっかり捨ててしまうところです。
しかし、知っていれば回避策もその後の挽回策もとることができます。
フードロスを極力なくして、環境にもおサイフにも優しい生活を心がけましょう。
《参考》コープこうべ商品検査センター 商品Q&ATOMATEC株式会社 ダイコンに対するF・T・Eの施用効果PDF公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ビタミンCの働きと1日の摂取量」関連リンク【大根の保存方法】調理するのに便利な方法を大公開!おいしく食べ切ろうカレーを“分解”し“再構築”した「スパイスを楽しむ」コース料理の数々|【レカマヤジフ】祐天寺シャングリ・ラホテル東京「桜アフタヌーンティー」花型チョコ付きケーキやピンクの和菓子缶詰でパエリアができる!?簡単でおいしい缶詰活用“絶品ごはん”レシピ3品。
【お取り寄せ】おうちで楽しめるご当地グルメ4選。
日本全国の名店のあの味を簡単調理で。
この食コラムに関連するレシピ冷凍保存もできる!手作り干し芋大根とショウガのスープ大根のシャブシャブ大根ご飯ユカリ大根手羽元と大根のスープ煮大根だけサラダ大根のナムル大根のみそ汁風邪予防カボチャのお焼き今あなたにオススメ