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バッテラって何?発祥や語源から作り方まで解説!鯖寿司との違いに迫る

バッテラって食べたことありますか?押し寿司の一つで、酢飯の上に鯖と薄い昆布が乗っているのが特徴です。

土地によってはなじみ深く、生活に溶け込んだお寿司になっているところもあります。

今回はバッテラの語源や発祥はもちろん、鯖寿司との違いなどもご紹介します。

©https://www.photo-ac.com/目次 [開く][閉じる]■バッテラってどんな食べ物?■バッテラと鯖寿司の違い■バッテラと松前寿司の違い■バッテラの食べ方■バッテラは大阪庶民の伝統の味■バッテラってどんな食べ物?押し寿司のように四角くて、上に酢で締めた鯖が乗っている、そんな印象ですよね。

バッテラとして売られている物は鯖が乗っています。

でも初めて作られたときは、そうではありませんでした。

・バッテラは大阪発祥明治20年代はニシンの仲間の『このしろ』が大阪湾でよく採れた時代でした。

豊漁だったコノシロをどうにかして食べたいと、考えられたのが酢で締めて寿司にした、バッテラでした。

大阪の「すし常」の創業者が、安く手に入れることができる、このしろを使って「気軽に食べられるお寿司を作ろう」と考えたのが始まりと言われています。

その考えはみごとに大衆の心をとらえて、大阪ではとても人気が出ました。

今でも大阪ではなじみ深い寿司の一つです。

・バッテラの語源©https://www.photo-ac.com/もともとはポルトガル語の小舟(バッテイラ)という意味から来ています。

このしろを寿司に乗せると真ん中が丸くなり、しっぽの部分が上を向きます。

この姿が小舟のように見えたことから、ポルトガル語のバッテイラから取って、バッテラと名づけたことから広まりました。

明治時代に外国語を寿司の名前にするなんて、ずいぶんハイカラですね。

・バッテラには『このしろ』という魚が使われる前述しましたが、このしろという魚を使ったのが始まりです。

このしろはコハダの成魚で、鯖と同じ青魚です。

ところが、このしろがだんだん採れなくなってきたために、安く手に入る鯖で代用するようになり、今ではそれがバッテラとして作られることになりました。

■バッテラと鯖寿司の違い©https://www.photo-ac.com/バッテラも鯖寿司も同じ鯖を使います。

では、一体どこが違うのでしょうか。

作り方や、上に乗っている昆布の種類などを見ていきましょう。

・バッテラの作り方大まかな作り方は以下になります。

締め鯖を3~4枚に薄くそいだものを使います。

甘酢につけておいた白板昆布を、押しずしの型に近い大きさに切ります。

押しずしの型に、鯖、酢飯の順に乗せて押し板でしっかり圧力をかけます。

白板昆布の水分をふき取って、型から出した寿司の鯖の上に乗せます。

3~4cmほどの幅に切り分けて完成です。

・『押し寿司』か『まきす』で巻くかの違い©https://www.photo-ac.com/鯖寿司は鯖を半身使ってまきすで巻くため、丸みを帯びた形になります。

一方、バッテラは木枠の押し型に入れて、作るので四角い形になります。

鯖寿司と呼ばれるものにも木枠の押し型に入れて作るものもありますが、ほとんどはまきすを使って作られて、竹の皮で巻いてあるのが本来の形です。

竹の皮で巻くのは保存状態をよくするためで、昔から用いられています。

現在も竹の皮でまいてあるのは、それが名残として残っているためです。

鯖寿司と言えば京都が有名ですが、現在の福井県の若狭湾から鯖を運んでくる道を、鯖街道と呼んでいました。

鯖を数日かけて京都へ運ぶためには、塩漬けして酢で締める必要がありました。

これを寿司にしたのが鯖寿司の始まりとなったわけです。

・バッテラに使うのは『白板昆布』大阪の堺ではおぼろ昆布などの、薄い昆布を作る技術がありました。

おぼろ昆布を作ると、透明で板状の薄い部分が残ります。

これが白板昆布となり、魚の上に乗せられていました。

白板昆布はもともと、余りものだったことがわかりますね。

白板昆布の役目は、乾燥を防ぐため、風味をつけるために乗せられています。

当時はラップのようなものがあったわけではないので、昆布のようなもので乾燥を防いでたようです。

見た目もつややかですし、実用的な食材とされていたのでしょう。

反対に鯖寿司には厚い昆布が使われます。

種類も羅臼昆布などの、高級品を用いることが多いです。

・使う鯖の量が違う©https://www.photo-ac.com/バッテラは鯖を薄くそいでからすし飯に乗せるのに対し、鯖寿司は鯖の半身をまるまる使います。

鯖の量が違うことで、値段も大きく変わります。

鯖の量が多い鯖寿司のほうが高級品、バッテラは庶民が簡単に食べられるもの、ということが言えます。

鯖のうま味を存分に味わいたい人は、肉厚な鯖寿司がオススメです。

逆に鯖がちょっと苦手な人や、手軽に食べたい人などはバッテラがおいしく食べられます。

■バッテラと松前寿司の違い©https://www.photo-ac.com/バッテラに似たものとして鯖寿司のお話しをしましたが、鯖が乗った松前寿司と呼ばれるものもあります。

松前寿司とは、どのようなものを言うのでしょうか。

・『松前昆布』で巻かれたものが松前寿司松前昆布とは『松前船』で北海道から運ばれたことが由来となっています。

松前とは北海道の南側の地域のことで、このあたりで採れた昆布を松前昆布といいます。

これを使った寿司が松前寿司というわけです。

松前船の終点が大阪だったことで、松前藩の海産物は関西地方でも大変なじみがあったものでした。

バッテラは白板昆布を使いますが、松前昆布は厚みのある、いわゆる黒い昆布を巻くことが多いです。

・松前寿司は食べ応えバツグン松前寿司は鯖の半身を使って作るため、ボリュームがあります。

北海道からやってきた商人が、故郷へ帰るときのために持たせていたのではないか、という説があるので、「お腹をすかせないように」という配慮があったのかもしれませんね。

・バッテラと明確な違いはない松前寿司は松前昆布で巻かれたものをさすため、バッテラとの明確な差はありません。

松前寿司と呼ばれるものは、白板昆布ではなく厚みのある昆布で作られるものが多いです。

しかし、白板昆布を使って松前寿司を名乗っているものもあるため、はっきりとした違いがないのが事実です。

■バッテラの食べ方©https://www.photo-ac.com/握りずしでもなければ巻きずしでもないバッテラは、どうやって食べたらいいか、ちょっと戸惑ってしまうかもしれません。

この章ではバッテラの食べ方の基本をご紹介します。

・バッテラの昆布は食べる?食べないのが基本と言われますが、食べても構わないです。

厳密な決まりはないので、好きなように食べましょう。

昆布の役目は乾燥を防ぐもの、風味を付けるものとされているため、味わってもらおうというものではないのです。

しかし、バッテラに使われている白板昆布は、薄いためそのまま食べられますし、元々庶民のための食べ物なので、気取らなくても大丈夫です。

ですから、そのまま食べるのは全く問題ありません。

・バッテラに醤油はつける?©https://www.photo-ac.com/醤油はつけない方が「通」とされています。

とはいえ、はっきりした決まりはないので、好きなように食べていいようです。

あまりジャブジャブ醤油をかけるのは考えものですが、少したらした方が好きだ、という人も多いですね。

基本的に職人さんが寿司だねに味をつけたものは、そのまま食べることが本来の味わい方だと言えます。

ほかにも、タレがかかっているあなごの寿司のようなものも、醤油をつけることはありません。

あのタレは『煮詰め』から変化した専門用語で『ツメ』というようですね。

ツメや煮切り醤油などが、すでにかかった状態で出される寿司に、後から醤油をつける必要はありません。

・バッテラの消費期限3日から4日としているお店が多いです。

常温で涼しいところに置いておくのが条件です。

冷蔵庫に入れてしまうと、ご飯が硬くなってしまうので、常温で保存してなるべく早く食べるようにしましょう。

酢で締めてあるので、生の寿司よりは数日長持ちしますが、過信はよくないです。

夏場の暑い時期はすぐに悪くなってしまうので、消費期限よりも早く食べるようにしましょう。

■バッテラは大阪庶民の伝統の味©https://www.photo-ac.com/バッテラについて、詳しくおわかりいただけたのではないでしょうか。

語源はポルトガル語の小舟(バッテイラ)から来ているバッテラは型を使い、鯖寿司はまきすを使って作るバッテラの白板昆布はおぼろ昆布の余りものをリメイクしたものだった食べる方法はお好みで構わない食べ方には元々の習わしがあるものの、自分の好みで構わないということもわかりました。

庶民の食べ物ですから、あまり気負わずおいしく食べられるといいですね。

大阪や京都にはバッテラや鯖寿司の有名店もありますので、味比べをしてみるのも面白いかもしれません。

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