おいしいと感じる塩分濃度は何%?「ロジカル調理」で誰でも料理上手になれる
毎日料理は作るけれど、実はそんなに得意じゃない。
レシピを見て作っても味がイマイチ決まらなかったり、肉がかたくなりすぎたり…。
そんなママも少なくないのでは?でも実は料理には「センスも勘も関係ない!」。
そう言い切るのは、今年春に発売された話題の1冊『誰でも1回で味が決まるロジカル調理』を監修された、料理家で管理栄養士の前田量子さんです。
前田量子さんプロフィール料理家。
管理栄養士。
ジュニア野菜ソムリエ。
前田量子料理教室主宰。
東京理科大学卒業後、織田栄養士専門学校にて栄養学を学ぶ。
東京會舘、辻留料理塾、柳原料理教室、ル・コルドンブルーにて料理を学ぶ。
保育園や病院での勤務、カフェ経営を経て、調理科学にもとづいた料理を教える教室を開催。
「洋食」「和食&中華」「お菓子」の年間コースを開催している。
本格的なのに誰もが再現しやすく、調理科学に裏づけされたレシピ作りに定評があり、美しい盛りつけが好評で、雑誌やテレビCM、企業へのレシピ提供なども多く手がける。
「本やスマホのレシピを真似して作っても、上手にできないとしたら、それはあなたのせいではありません。
本当に必要な基本的なコツや知識が、レシピに書ききれていないからです。
そしてそのコツは、科学にもとづいています」(前田さん)科学なんていうとちょっと難しそうですが、「野菜を水からゆでるか、お湯からゆでるか」とか「誰もがおいしいと感じる塩分濃度」といったことには、ちゃんと科学的根拠にもとづいたおいしく決まるコツがあり、それさえ知っておけば誰でもおいしく作るそうです。
『誰でも1回で味が決まるロジカル調理』は、そのコツをわかりやすく、かつ論理的に解説。
本の中から、毎日のごはん作りのヒントになる「ロジカル調理」の例をいくつか紹介します。
■「豚のしょうが焼き」おいしく仕上げる3つのコツまず1品目は「豚のしょうが焼き」。
おいしく仕上げるコツは3つあります。
1.下味につけ込まないたれなどにつけ込むレシピもありますが、たれに塩分があるので浸透圧によって肉の水分が奪われてかたくなり、仕上がりもパサつきがち。
焼いてから調味料をからめるだけで十分味はつくそうです。
2.焼けた肉を取り出さない焼けた肉を取り出すと冷めてかたくなるので、フライパンからは取り出さず、あとから入れた肉をひっくり返すタイミングで、先に焼けた肉をその上にすべて重ねます。
重なった肉は蒸し焼き状態になるので、火は通りつつ、かたくない仕上がりに。
3.味は、1(しょうゆ):1(みりん):1(酒)人がちょうどいいと感じる味つけの塩分濃度は、体液とほぼ同じ約1%。
肉250gなら、しょうゆ・みりん・酒を各大さじ1(※)。
調味料は加熱中に加えると蒸発したり焦げたりするので、必ず火を止めてから加えて混ぜ、再び火にかけて味をからめます。
※一般的なしょうゆ大さじ1の塩分量は2.6g みりん・酒には塩分は含まれない具体的な作り方をご紹介します。
■「豚のしょうが焼き」レシピ<材料2人分>豚肩ロース薄切り肉(しょうが焼き用) 250gA しょうゆ 大さじ1 みりん 大さじ1 酒 大さじ1しょうが汁 2かけ分サラダ油 小さじ2<作り方>1、油を入れて予熱。
フライパンの片側に肉を1枚広げて入れる。
(予熱1分。
強めの中火)油を入れて火にかけ、一ヵ所にかたまっていた油がさらさらとしてきたら、予熱完了。
肉は必ず広げて、フライパンの中央ではなく、片側で焼き始めるのがコツ。
 2、肉の色が変わったら裏返す、と同時に、次の肉を広げて入れる。
(強めの中火で片面20~30秒)肉を入れるタイミングがとっても大切!先に入れた肉をひっくり返したらすぐに新しい肉を入れる。
これでほぼ同じ焼き時間でコントロールできる。
片面20~30秒焼く。
 3、あとから入れた肉をひっくり返した上に、焼けた肉を重ねる。
あいたところに新しい肉を入れる。
(強めの中火で片面20~30秒)あとから入れた肉をひっくり返すタイミングで、先に焼けた肉をタワーのように重ねていく。
小さなフライパンでも取り出さずに肉を何枚でも焼くことが可能。
重なっている部分は、蒸し焼きの状態なので、しっかり火は通るが、かたくない仕上がりが実現。
 4、火を止め、Aの調味料、しょうが汁を加える。
よく混ぜ、再び火にかけて煮詰める。
(強めの中火で1分)調味料は必ず火を止めてから加える。
加熱による調味料の蒸発がないので、味が全体にからまない、焦げるという失敗を免れる。
全体になじむまで混ぜたあと、再び火にかけ、あとは好みの濃度まで煮つめればOK。
 ちなみに、しょうが焼きは通常は豚ロースが定番ですが、本レシピでは肩ロースを使用。
赤身に脂が網目状に広がっているので、ロースよりコクのある味わいだそうです。
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