美輪明宏さん「いいものは色あせない…日本の美意識は誇れるもの」
(撮影:御堂義乘)毎年恒例、年末年始の人気企画、麗人・美輪明宏さん(83)による愛のメッセージ。
今回のテーマは「新時代を生き抜く知恵」。
来年5月の改元で、日本は新時代へと突入する。
「昭和」と「平成」という激動の時代を強く生き抜かれた美輪さんが語る、希望の持てる未来とは--。
最近は、“新しいからいい”、“古いから悪い”といった風潮がありますよね。
そもそも新しいとか、古いとかを、良しあしの判断基準にしていること自体がおかしい話です。
じゃあ、ミロのヴィーナスやモナ・リザの絵は古いからよくないのですか?そんなことはないわけだし、もし、流行遅れだなんて言ったら笑われますよ。
文明や文化がどんどん進化しても、いいものはいつまでもいいままで残り、色あせないのです。
日本の古きよき時代には、素晴らしい文化がありました。
ファッションにしても、そう。
戦前までは自由で、長髪の男性もいたし、ラッパズボンをはいている人もいました。
“モダンボーイ”“モダンガール”なんて言葉もはやりました。
そのまま行けば日本は、世界有数の耽美的なおしゃれな国になっていたはずです。
ところが、その後の戦争で軍人たちが、“文化は軟弱である。
… : 国策に反する”と、進化をストップさせたのです。
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