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もし溺れたら「浮いて待て」。次に親がすることは?【水の事故から子どもを守る!第3回】

©たけたけ-stock.adobe.com夏に毎年発生する水辺で子どもたちが亡くなる事故。

万が一溺れたり、沈んだりしてしまっても、対処法を知っていればその生還率は大きく上がると言われています。

もしも溺れてしまったら、何をすれば命が守れるのでしょうか。

水の事故から子どもたちを守る予防策について伺った前回に引き続き、今回は水の事故に遭ったときの対処法について、水難学会会長で長岡技術科学大学・大学院の斎藤秀俊教授に話を聞きました。

【水の事故から子どもを守る!】第1回 水の事故の危険は通学路にも?どこで、なぜ起きるのか第2回 水の事故から命を守るためにライフジャケット以外に必要なモノとは■「浮いて待て」で生還率が高まる「浮いて待て」講習会(提供:水難学会)――もしも溺れてしまったときは、どうすればいいのでしょうか。

何よりも「浮いて待て」というキーワードが重要です。

「浮いて待て」とは、背浮きになってプカプカ浮いて、救助が来るまでの間、呼吸を確保するための方法のことです。

流されてしまったら、一度落ち着いて体の力を抜き、息を吐くのを我慢して背浮きになると、プカプカと浮き上がるのです。

慌てて手をバタバタして息を吐いてしまうと、どんどん沈んでしまいますが、体の浮力を使えば、簡単に浮くことができます。

――背浮きとはだれでも自然にできる姿勢なのですか。

そうですね、背浮きをするときに体に息をためて、じっとしていれば自然とそのような姿勢になります。

もし沈んだり、深みにはまったりしても、息を吐かないようにして、10秒くらい待っていれば、自然と浮いてくるんです。

注意するのは、呼吸をしばらく吐かないように我慢することですね。

浮いてから姿勢を安定させるためには、「あごを上げる」、「手足をバタバタさせずに大の字にする」も効果的ですが、基本的には自分が楽な体位でいいと思います。

――口と鼻が水面に出るようにするのですね。

息を体にためているとき、人の体はだれでもその2%が水に浮きます。

その2%の部分として、口と鼻だけを水面から出しておくことが大切です。

ですから、「浮いて待て」のポーズをしている間は、基本的には息をためておいて、苦しくなったら素早く吐いて吸うのを繰り返します。

呼吸法のコツも大切なので、その点も覚えておいてください。

――靴は履いておいた方がいいのですか?「浮いて待て」講習会(提供:水難学会)靴を履いてれば、その浮力を利用して、足を浮かすことができます。

人間は足から沈むため、背浮きになっていても、足が浮いてくれれば、岸面に浮いていられるのです。

こうすれば、水のベッドに寝転がるような感じで、体力を消耗せずに水面にずっと浮いていられるので、救急隊が来るまでの間、ゆったりとした気持ちで待てばいいだけです。

夏は水も冷たくないので、呼吸さえ確保できれば生還率は高まります。

――背浮きの姿勢は、どんな水辺でもできるのでしょうか。

どこでもできるのですが、海は塩分濃度が高いので、ほかの場所よりも浮きやすいという特徴があります。

「浮いて待て」で重要な息をためておく呼吸法も、じつは海では必要ないくらい、浮く力が大きいのです。

… : ■もしも子どもが溺れたら、親がすべき行動とは…>>12>>連載:水の事故から子どもを守る!第1回水の事故の危険は通学路にも?どこで、なぜ起きるのか第2回水の事故から命を守るためにライフジャケット以外に必要なモノとは第3回(終)もし溺れたら「浮いて待て」。

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