【医師監修】おさえられない食欲「イライラせずにやせるには?」【やせにくいママのための「脳科学ダイエット」ってなに?第2回】
©kei907-stock.adobe.com出産を終え、体調も整ってくると「そろそろダイエットでも始めようかな」と思うママも多いことでしょう。
でも、小さな子どもとの生活はやることがいっぱい。
気持ちも体もついていかず、ダイエットどころではない現実に直面する人もいますよね。
それに、なぜだか異常な食欲がわいてきて後悔するほど食べてしまい「どうして食べちゃったんだろう」と落ち込んでしまうことも…。
わきでる食欲は、どうやったらとめることができるのでしょう? 第1回に引き続き、長年、脳科学研究に携わり『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』(主婦の友社)を出版された医師・久賀谷先生に、脳科学ダイエットから見る「おさえられない食欲との付き合い方」についてお話をうかがいました。
【医師監修】産後太り「やせない原因は脳⁉」体重・体形が戻らないママへ「脳」をもとにして考えられ、その斬新なダイエット法が数々のメディアで紹介されている「脳科学ダイエット」。
先端脳科学研究に携わり…お話をうかがったのは…医師/医学博士久賀谷亮先生イェール大学医学部精神神経科出身。
アメリカ神経精神医学会認定医。
日本で臨床及び精神薬理、イェール大学で先端脳科学研究に携わる。
その後、臨床医として精神医療の現場に従事。
2010年、ロサンゼルスで「TransHopeMedical」を開業。
マインドフルネス認知療法、TMS磁気治療をとりいれた診療を行っている。
■「食欲がとまらない!」どうしてこんなに食べてしまうの?――息子が小さいころ、子育ての合間に「ご褒美」と称してコンビニのちょっと高いスイーツを食べるのが大好きでした。
それだけですめばいいんですが、夜ごはんのあとにもチョコレートをつまんでしまったり…。
食べ過ぎと分かっていても「食べたい!」欲望と向き合うにはどうしたらいいのでしょうか?久賀谷亮先生(以下、久賀谷先生):食欲がおさえられないことを脳科学的に見ていくと、習慣と依存という2つの要素が関係しています。
甘いものを食べると満足感がありませんか?――すごくあります!久賀谷先生:脳はその満足感を覚えるんですね。
そして習慣にしてしまう。
食欲というのは快楽なんですね。
甘いものやごはんなど糖質をとると、ドーパミンという快楽物質のようなものが出て脳が刺激されてしまう。
脳は無条件にその刺激を欲してしまうんです。
そういうメカニズムができているんですね。
結果、そこから抜け出せなくなってしまう。
習慣と依存という2つの車輪が、我々の「食べたい」をおさえられなくしている。
これは、全部脳からきているんですね。
――食欲がおさえられない、というのは脳からきている。
ということは「どうして我慢ができないんだろう」なんて自分を責めなくてもいいということでしょうか?久賀谷先生:そうですね。
食欲をおさえられないのは、脳のなかの自然な反応です。
――なるほど…。
食欲がおさえられないというのは当たり前なことなんですね。
■子育て期に直面する「食欲ムラムラ」どうやり過ごす?――子育て中だと授乳中は手持ちぶさたでお菓子に手がのびたり、子どもが残した食事ももったいないからつい食べてしまいます…。
家に子どもと2人きりだと、楽しみが食に向かってしまいがちですよね。
食欲がおさえられないときというのは、さまざまなシチュエーションがあるかと思いますが、わきあがる食欲とはどう向き合っていけば良いのでしょうか?久賀谷先生:私がすすめているマインドフル・ダイエットは、基本的に「なにかひとつのことに集中する」ことに焦点をおいています。
それと同時に、食べたい欲求はおさえつけずに「乗りこなす」という方法があります。
――食欲を乗りこなす…? 食欲はおさえて、我慢しなければならないものではないのですか?久賀谷先生:おっしゃるとおり、食欲があると人間はおさえようとしますし、戦ってしまうものですよね。
けれど欲求をおさえようと我慢することは、脳科学から見て、かえって火に油をそそいでいるのと同じことなんです。
食べたい衝動、これを我々はクレーヴィングと呼びますが、これを波に例えてみましょう。
波と戦おうとすると、正面衝突することになりますよね。
波と衝突すると、どうなるでしょうか。
――真正面からぶつかったら…飲み込まれてさらわれそうです。
久賀谷先生:そう、撃沈しますね。
食欲をおさえようとすると悲惨な結果を招くことになる。
では、どうしたらいいのか。
そんなときは波に乗るようにするんです。
もちろん、最初は失敗するかもしれないし、うまく乗れないかもしれません。
でも、だんだんうまく乗れるようになる。
ぶつかることなく、落ちることなく波に乗って岸に行けるようになる。
そのころには衝動はおさまっているんです。
――食欲を波に例えて「乗りこなす」。
これができるようになれば、食欲をおさえる必要はなくなるんですか?久賀谷先生:そうですね。
この方法は「RAIN」と呼ばれていて、具体的に説明すると、次の4つの段階をふみます。
1.Recognize:食べたい欲に気づくこと。
2.Accept:食べたい欲を受け入れること(食欲とは戦わない)。
3.Investigate:そのときの体の感覚を見つけること(クレーヴィング)。
4.Note:見つけた体の感覚を書きとめたり言葉にすること(フレーズもしくはネーミング)。
フレーズにすると、体の感覚という実態の見えないものが分かりやすくなるんです。
それ以外にも感じた感覚をなにかに書いたり、言葉に出したりするのもいいですね。
人それぞれやりやすい方法でやってみてください。
――RAINですか…。
「食べたい!」と思ったら、食べたい欲があることに気づく。
そして受け入れる…。
体の感覚ってどんなものなんでしょう。
今度やってみたいです。
久賀谷先生:正直、いきなり完璧にやろうと思うと難しいかもしれません。
私もRAINを言葉で説明して、いろいろな方と一緒にやってみるんですが、すぐにはできない方が多いですね。
だから何度か練習を重ねていきましょう。
――食べたい! と思ったら「お、食欲の波が押し寄せてきたな~」と心のなかで思うだけでも違うかもしれませんね。
そのあとで「うん、今日はいろいろ頑張ったもんね。
食べたくもなるよ」と受け入れる…とやっていくとコツがつかめてくるかもしれないですね。
… : ■食欲コントロール「自分にやさしくする」がダイエ…>>12>>連載:やせにくいママのための「脳科学ダイエット」ってなに?第1回【医師監修】産後太り「やせない原因は脳⁉」体重・体形が戻らないママへ第2回【医師監修】おさえられない食欲「イライラせずにやせるには?」この連載の目を見る関連リンクしっかりセルフケアして、正しい食事を取っていればOK。
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