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広がる「子ども食堂」、解決しにくいいくつかの課題

先月こちらの記事(最近話題の「子ども食堂」って何?どうしてできたの?)でその概要をお伝えした「子ども食堂」。

善意だけでは解決しない問題もやはりあるようです。

善意だけでは解決できない課題がある目次・善意だけでは解決できない課題がある・できることで助け合おう食事を必要としている子どもたちに提供することで、食べる人も、作る人も、地域も元気になっていく「子ども食堂」ですが、実際にはそうそう理想どおりには、ことは運ばないようです。

「ご飯を作るなら毎日やっているし、友達と一緒に始めたい」と考える方もいると思いますが、安易なスタートはおすすめしません。

課題:来てほしい人が来てくれない子ども食堂は貧困などのために、満足に食事を取れない子のために、家庭的な雰囲気の中で温かい食事を食べてもらおう、という趣旨ですが、必要としている人に「ここに来ればいいよ」という情報が行き渡りにくいのでは、というのが大きな課題です。

また子ども食堂の存在を知っても「貧乏人のためのもの」という思い込み(偏見)から、親に禁止されてしまったり、本人が恥ずかしがったりして、行くのをやめてしまう子もいるそうです。

そのため多くの子ども食堂では「誰でも来ていいですよ」というスタンスでいるのですが、それをいいことにファミレス代わりに使う家族もいたりして…「来なくていい人ばかりが来て、来てほしい人が来てくれない」というジレンマに陥ってしまいます。

課題:困っている「当事者」が見えない来てくれた子の家庭が貧困かそうでないか、表面上からは見えにくいのも課題だそうです。

想像してください。

もしあなたのお家に明日食べるお米がなくても、子どもには人並みの服装をさせると思いませんか?「いじめられたり、恥ずかしい思いをしなくてすむように」と、できるだけ困っていることがバレないようにするんじゃないかと思います。

見た目はまったく困っているように見えないため、援助の手が届きにくいという課題があるそうです。

課題:経営が難しい子ども食堂だって「食堂」です。

営利を目的としなくても、大幅な赤字が続いていたら、やがて運営できなくなってしまいます。

場所はどうするのか、食材はどう調達するのか、料理はどうするか、ボランティアスタッフをどう回していくかなど、子ども食堂を上手に切り盛り(=経営)できる人がいなければ続けることは難しいでしょう。

課題:善意の押しつけで嫌われてしまうボランティアスタッフには「いいことをして感謝されたい」という気持ちの強い人が少なくありません。

そういう人は子ども食堂を利用する子に「純真ないい子」を無意識に求めてしまう傾向があるようです。

キラキラした笑顔で「おばちゃん、おいしかった、ありがとう!」と素直に感謝してくれる天使ばかりではありません。

現実の子どもに幻滅してして去っていくボランティアが少なくないそうです。

また「どうせならお行儀も教えたい」「箸の持ち方くらいは…」と欲張って、善意のつもりで「ダメじゃない」「もっとちゃんとして」などとお説教が出てしまう人も少なくないのだとか。

ボランティアさんに叱られるような場では、子どもも大人も居心地が悪くなって参加者が減ってしまいます。

課題:大人の事情で子どもを振り回さないで今回の記事では、あえて子ども食堂の課題・大変な面ばかりを書きました。

この記事を読んで「せっかく善意で始めようと思ったけどやっぱりやーめた」という方もいると思います。

それはそれでいいと思います。

なぜなら安易な気持ちでスタートして、安易な気持ちでやめられたら子どもたちが傷つくから。

ちょっと長いですが引用します。

(引用)子ども食堂のオープンは、誰しもが喜びます。

しかし、一度できた子ども食堂がつぶれてしまうと、大人が「仕方なかったね」「短かったけどがんばった。

お疲れ様!」と割り切ることはできても、そこを必要としていた子どもほど悲しい経験になります。

大人は長い年月生きてきただけあって、学生時代からの人間関係や、職場の人間関係など、ひとつ居場所が奪われてもほかの選択肢があります。

しかし、子どもにとっては、第三の居場所といわれるように、基本的に家と学校以外で新たな居場所をつくることは難しいのです。

貧困という状況で、ただでさえ、居場所が奪われているというのに、せっかくできた居場所がなくなるのは、厳しい状況に追い打ちをかけているようなものです。

やめる理由は、運営の資金や人手の問題などやむを得ない理由なのかもしれませんが、子どもにとっては、それはただの大人の都合であって、大人の都合でしんどさを被っている子どもにそんな言い訳は成り立ちません。

引用:「子ども食堂」は、「おとな食堂」になっていないか?-大人の理想と都合で開店して閉店!子どもの声なき声に耳を傾けて!支援したことはゼロやマイナスにはならないと思いたいのですが、子どもの居場所を奪うというのは残酷です。

安易な支援は支援にならない可能性があるということは忘れずにいたいものです。

できることで助け合おういいことずくめに思えた子ども食堂も、現実にはさまざまな壁にぶつかっています。

難しい問題も多いですが、興味を持たれた方、いつか運営してみたいと考える方は、まずは近所の子ども食堂を探してボランティアに行ったり、食材を寄付したりというところからはじめてみるのはいかがでしょうか。

これからの時代、すべての家庭に福祉の目が行き届くことはもっと難しくなるでしょう。

子どものために、地域のために、子ども食堂は必要とされているし、これからますます必要とされるのだろうと思っています。

(文・曽田照子)参考URL●こども食堂ネットワーク・編/こども食堂のつくり方講座●子ども食堂を失敗させる方法●「子ども食堂」は、「おとな食堂」になっていないか?-大人の理想と都合で開店して閉店!子どもの声なき声に耳を傾けて!この記事もおすすめ「さあ夏休み!宿題を早めに終わらせるためにはどうしたらいいの?」>>この記事が気に入ったら、こちらもチェック!今ならなんと初回20%off!「子ども服」をおトクに手に入れるには?定価で買うにはちょっと手がでないブランド服から普段着まで!すぐに着れなくなる子ども服は賢くget!関連リンク最近話題の「子ども食堂」って何?どうしてできたの?

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