【喘息Q&A】症状が出にくい体質になるための治療法って?#03
目次・▼喘息の発作が起きない身体になれるものですか?・▼体質改善とは具体的には何をするのですか?・▼減感作療法についてsource:https://www.shutterstock.com/いつ起きるかわからない喘息の発作を抱えて毎日生活することは、子ども本人にとっても親にとっても負担になります。
また、喘息のリスクを抱えたまま大人になることを考えると心配です。
しかし喘息は、子どものうちに体質改善の治療を行なうことで、喘息の発作がほとんど起きない状態にすることが可能と考えられています。
今回は、喘息に詳しい仁友クリニック院長の杉原徳彦先生に、喘息の症状が出にくい体質になるための治療方法について教えていただきました。
なぜ、喘息の発作が起きるのか、どんな病気なのかについては第1回の記事【喘息Q&A】喘息はアレルギーの病気なの?原因と検査方法#01をご覧ください。
▼喘息の発作が起きない身体になれるものですか?小児喘息は、「大人になれば治る」という俗説もありますが、実際には成長しても大人になっても喘息で苦労している人はいます。
そこで、どうすれば喘息の発作が起きにくい身体になれるのかについて聞きました。
Q1:小児喘息は成長に伴って自然に治癒するものなのでしょうか? 東京・中野坂上仁友クリニック杉原徳彦先生1回目にお話したように、喘息の多くはアレルギーが原因です。
成長して体力が付くと喘息が出にくくなる場合もありますが、アレルギー体質が変わらない限り、またいつ再発するかわかりません。
Q2: 喘息が出ないように、アレルギー体質を治すことはできますか?アレルギー体質を治すには「減感作療法(げんかんさりょうほう)」といって、アレルギーの原因物質(=抗原)を少しずつ身体に与えることで、身体を抗原に慣らす治療法があり、これで喘息が起きるのをかなり押さえられます。
私の経験では、この治療で喘息の症状が起きなくなることが多いので、喘息の体質を改善する方法だと考えています。
source:https://www.shutterstock.com/Q3:喘息が出ないように体質改善する減感作療法は、0歳から3歳の乳幼児でも受けることができるのでしょうか?残念ながら減感作療法は、ある程度成長しないと受けることができません。
その年齢になるまでは、2回目にお話したように、症状を抑えるお薬を使って、喘息をコントロールする必要があります。
減感作療法ができる年齢になったら体質改善を目指して治療を受けることを今から考えておいてください。
▼体質改善とは具体的には何をするのですか?アレルギー体質を改善していくという、減感作療法について詳しくうかがいました。
Q4:具体的にはどんな治療を行うのでしょうか?減感作療法には舌の下にアレルゲンを含んだ薬を置く舌下免疫療法と、注射をする皮下免疫療法があります。
現在、喘息患者に多いダニアレルギーの場合は、注射による減感作療法が可能です。
舌下免疫療法もあるのですが、まだ保険適用外です。
私の病院では、注射の場合は、最初の半年ぐらいは週1回、以後は月1回程度を目安としています。
毎回通院する必要があり、3年から5年続けないと意味が無いと言われています。
Q5:減感作療法は保険が効くんですか?はい。
保険適用です。
東京都23区などは中学生までは医療費が無料な場合が多いので、子どものうちに受けたほうがいいですね。
source:https://www.shutterstock.com/Q6:子どもがアレルギー体質で喘息のリスクがある場合、体質改善の治療をすべきなのでしょうか?注射の場合、毎週病院に通うのは大変です。
そこで、私の病院ではお父さんがお子さんと一緒に体質改善の治療を受けることで、治療を続けているご家族もいます。
体質改善の治療は時間がかかるので大変ですが、一生を喘息と付き合っていくことを考えたら、少しでも楽になるのならやったほうがいいと思います。
Q:大人も体質改善の治療を受けられるのですね?何歳でも可能です。
30代、40代でやられるかたもいます。
親御さんも喘息の悩みがあるなら検討なさってみてください。
▼減感作療法について杉原先生がお話の中で勧めている、喘息の起きにくい身体に体質改善する減感作療法(アレルギー体質改善)は、花粉症やアトピー性皮膚炎の対策としても行われているものです。
子どもの場合は小児科医で相談してください。
減感作療法を受けられる治療法と年齢の目安名称:皮下免疫療法方法:皮下注射年齢:7歳以上治療場所:病院治療頻度:週1回〜月1回治療期間:3年から5年※2018年7月時点の情報です。
詳しくは受診する病院にご確認ください。
喘息の起きにくい身体になることは、受験や就職など長い目で子どもの将来を考えてみると、とても大切なことです。
例えば、受験シーズンは真冬ですから、そこで喘息の重い発作が起きて試験が受けられないなんてこともあるかもしれません。
お子さんがまだ小さいママには、先の話に思えるかもしれませんが、体質改善の治療が可能なことは覚えておいたほうが良さそうです。
次回は、「喘息をおこなさないための生活環境」について、引き続き杉原徳彦先生に教えていただきます。
※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。
また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。
個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
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