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「もらえる教育費」がトレンド!充実の教育支援制度を活用するには【「教育費どうしようかな?」と思ったら第4話】

いま、教育資金は「情報戦」です。

たとえば、教育関係の公的な助成・補助金は、申請するからこそ、もらえるお金。

申請しなければ、もらえません。

また、いまや大学は、返さなくていい給付型の奨学金をこぞって増やしている時代です。

©ONE-stock.adobe.comこれらを「知っている」のと「知らない」のでは、大違い! 充実してきた教育支援制度の情報を、教育資金に詳しいファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんにピックアップしてもらいました。

【「教育費どうしようかな?」と思ったら】第1話“情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!?第2話普通の進路でも、老後破産する!?その落とし穴とは第3話児童手当が大学資金に!“いつの間にか貯まる”教育資金ワザ■低所得のひとり親家庭に給付するお金児童扶養手当死別や離婚などで母親または父親、父母がいない場合は祖父母などひとり親家庭で18歳未満の子どもを養育している人が、低所得の場合にもらうことのできる手当です。

受け取れる額は、「養育している子どもの人数」と「親の収入(所得)」によって違い、とても複雑なので、詳細はお住まいの市区町村窓口に問い合わせをすることが大切です。

申請をした後、1~3ヶ月程度の認定審査があり、認定日の月の翌月分から支給が開始されます。

■幼稚園の月謝、入園費の補助私立幼稚園就園奨励費補助金©maroke-stock.adobe.com私立幼稚園に通う場合は、ぜひ「私立幼稚園就園奨励費補助金」の活用を!国が自治体に依頼している補助金制度で、満3歳児から5歳児(年長)までの月謝と入園費を対象に受けることができます。

きょうだいの人数、年齢、親の収入(住民税の額)、そして住んでいる自治体などで補助金の額は異なります。

なお、千葉県野田市のように公立幼稚園に通う世帯にも助成しているところもあります。

一方で市区町村によっては制度がない場合や国の基準よりも厳しく設定しているところなど助成額も異なるため、まずは自治体に問い合わせをしましょう。

■高校の授業料の無償化高等学校等就学支援金(国の制度)©milatas-stock.adobe.com家庭の所得に応じて、高等学校の授業料が支給されるシステムです。

現金で直接、生徒や保護者が受け取れるというものではなく、学校設置者(学校法人など)が生徒本人に代わって受け取り、授業料と相殺されます。

申請書類は、入学時は4月に、継続して支給を受ける届け出手続き関係は6月~7月頃に高校から配布されます。

ただし、モデル世帯(給与所得のみの夫婦・16歳以上の高校生一人・中学生一人の4人世帯の例)で言えば、年収約910万円以上になると就学支援金は受けられません。

■返さなくていい奨学金!?©BillionPhotos.com-stock.adobe.com今回の取材で、筆者が一番驚いたのは、「返さなくていい奨学金」が増えていること。

そのなかでも、最近の一大トレンドとなっているのは、「予約型」の奨学金です。

これはおもに地方からの受験生が対象で、受験前に申し込み、合格したら支給をされる奨学金のことです。

申し込みは、前年度の秋のことが多く、それゆえ「予約型」。

つまり、現役生の場合は、この情報を「知っていて」、高校3年生のときに応募しておかなければなりません。

現在、多くの大学は、予約型の奨学金を設けています。

●早稲田大学「めざせ! 都の西北奨学金(予約型)」半期(春学期)の授業料が免除。

●慶應義塾大学「学問のすゝめ奨学金(予約型)」地方の新入生500人に年額60万円~90万円を卒業まで支給します。

国立大学でも、たくさんの奨学金給付があります。

たとえば、一橋大学の「一橋大学学業優秀学生奨学金制度」では、前年度にとくに優秀な成績を収めた学部生12名以上に月8万円(年96万円)を毎月送金します。

支給は1年間限定ですが、親の年収制限を設けるなど家計の経済状況は加味されません。

©KarenRoach-stock.adobe.com奨学金といえども、返済義務があるものは、大学を卒業した途端、数百万円もの借金を背負うもの。

返さなくていい奨学金を上手に活用することで、親の家計への負担を減らし、子どもの進学に役立てることができます。

そんな時代がやってきたのは、喜ばしいこと。

みなさんに制度を知ってもらい、活用して欲しいです。

いかがでしたか? いつの時代も、「わが子にできるだけのことをしてあげたい」というのは、当然の親心。

けれども、先行き不透明ないま、教育資金作りに不安を感じる人も多いことでしょう。

この連載が、教育資金の「情報格差」を解消し、前向きな教育資金作りの第1歩を踏み出すキッカケになるとうれしいです。

©concorde-stock.adobe.com■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。

慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。

卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。

主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。

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