母親のお下がりを着ているうちにオシャレ迷子に【トミヤマユキコ・岡田育対談イベント】
目次・40歳がくる!・結果だけ教えられても、真似できない・「母のお下がり」ループから抜け出したい節目の歳を目前に、ファッションやメイクを見直したいと思っている人も多いのではないでしょうか。
ライターで早稲田大学助教のトミヤマユキコさんと文筆家の岡田育さんが、5月下旬、青山ブックセンター青山本店(東京都渋谷区)で開催されたトークイベントに登壇しました。
「40歳までに身につけたいこと、手放したいもの」をテーマに、語られたことの中から一部を編集してお届けします。
トミヤマユキコさん40歳がくる!トミヤマユキコさん(以下、トミヤマ):私と岡田さんが出会うきっかけを作ってくれたのは、ライターの雨宮まみさんでした。
気が合うんじゃないかと、笹塚の居酒屋で引き合わせてくださって。
岡田育さん(以下、岡田):お互い、先輩が来るだろうなと思っていたんですよね。
トミヤマ:そうなんですよ(笑)。
でもお会いしたら完全に同世代で。
しかも私、岡田さんの“書きぶり”が好きで、見続けているとマネしたくなってきて危ないから、Twitterはあえてフォローしていないんですよ。
それぐらい好きな人と引き合わせてもらえて嬉しかったです。
岡田:ありがとうございます。
かつて雨宮さんは40歳をどのように迎え撃つかという内容で『40歳がくる!』という連載をなさっていました。
そして今回、トミヤマさんの『40歳までにオシャレになりたい!』(扶桑社)が出版されて、「だんだん私の学年にも40歳が迫ってくるな」と意識しつつ、1月から『40歳までにコレをやめる』という連載をはじめました。
私も私で、トミヤマさんからものすごく影響を受けているんですよ。
トミヤマ:“40歳”でオシャレと向き合ってみようと思ったきっかけのひとつは、教え子に恥をかかせてしまうかもと思ったからなんです。
私、ライターをしながら、大学の教員もしておりまして。
私自身は、どちらかというと奇抜な格好をするのが好きというタイプなのですが、学生の教育実習先にお邪魔するときなんかに、トンチキな格好で出かけるのはどうなんだろうか、と。
あとで学生が「何だあの先生は!」とか言われてたらヤバいなって(笑)。
それに、一生おもしろファッションの1チャンネルだけで生きていくことにも疑問がありまして。
コンサバファッションと呼ばれているものを一度つぶさに観察して、「やってみる」のもおもしろいかも、と思ったんです。
結果だけ教えられても、真似できないトミヤマ:ところがコンサバを研究しようにも、ど素人向けの本がないんですよ。
カリスマ読モとかスタイリストとかバイヤーとかの本ばっかり。
スキルのある人が結果だけ教えてくれても、あまり身につかないんですよね。
成功までの具体的なプロセスや失敗例を挙げている本が読みたかったんですけど、見当たらなかった。
だから、「私が実験台になるしかないかな」と思って。
「ものすごく素敵になりたい」というより「今よりマシになりたい」「最初の一歩を踏み出したい」という気持ちで原稿を書きました。
岡田:トミヤマさんの本を読んで、境遇が似ていたので共感しました。
途中で急にマニアックなところが出てくるんですよね。
「おばさん服ばかり試着していた時期がある」とか「親のお下がりのギャルソンを着て、RAGTAGでモード系の古着を買う」とか、私の20代じゃん!って。
岡田育さんトミヤマ:あはは、RAGTAGですれ違っていそうですね、私たち。
「母のお下がり」ループから抜け出したい岡田:トミヤマさんご自身は、ショップ店員の娘でもありますよね。
なんというハイスペック。
私の母もオシャレ感度が高い、というか、MoMADesignStoreなんかで一風変わった大ぶりのアクセサリーを買うような人。
私はそのお下がりを着る高校生でした。
ド派手な緑一色の、マント状になったコートとか。
トミヤマ:親がオシャレだと、娘は親のお下がりを永遠に着るハメになりますよね。
あと私、今年の誕生日に「プレゼント何がいい?」って聞かれて「SK-Ⅱ」って答えたんですけど、却下になって、コム・デ・ギャルソンに連行されました(笑)。
お下がりじゃなくても、結局母親の選んだ服を着ている……。
岡田:ありがたいですけどね。
トミヤマ:ありがたいですし贅沢な悩みなのですが……。
母親の影響が濃いめの40歳になるのかと思うと、一度それをリセットして、自分でオシャレしてみたい、自分のセンスを認められたいと思ったんです。
ファッションを褒められる時って、だいたい母のお下がりを着ている時だから。
岡田:確かに「逃れたい」と思う気持ちはありました。
大学生の時に、かかとが見えなくなるくらいのマキシスカートで学校に行って。
ファッション解像度が高い人には褒められるんだけど、全部お下がりなんですよ。
このまま一生ミニスカートは穿けないのかな、と思ったり。
あと母親世代が選ぶ服って、私たちアラフォーにはまだまだ早いんですよね。
私、10代の頃からヨーガンレールのお古とか着ていて。
早熟とは違う意味で「早すぎる!」(笑)。
いずれは活かしたいけど、今じゃない、まだ。
トミヤマ:わかりますわかります。
青春時代に、ものすごく攻めた服を親から与えられると、自分でいろんな服を買ってトライアンドエラーをすべきところをすっ飛ばしてしまうんですよね。
その結果、攻めた服は着られるようになるのですが、その手前の、いわゆるコンサバ服のことが全然分からない。
ファッション雑誌を読んでも、どうしてこのアイテムはこう着るべきのかってことは、あんまり書いていないじゃないですか。
「これは1枚では着ないでください」とか注意書きでちゃんと書いておいて欲しいですよね。
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