彼氏とケンカしても、それが別れの原因になるわけではない
ここのところ、静かになってよかったなあと思うのが不倫報道です。
若い女子は「不倫なんてわたしには関係ない」と思うのかもしれないけれど、でもこういうサイトで不倫ものを読まない人であっても、テレビのワイドショーとかで不倫ネタを扱っていたら、チャンネルを変えないで見てましたよね。
不倫する人は、不倫する前に道徳のことなんかすでに「考え済み」なわけです。
「道徳的によくないのはわかっているけれど、でもあの人のことが好きなんだよなあ、あの人と寝たいんだよなあ」と思って、いったん考慮に入れたはずの道徳に負けて不倫するんだから。
それをワイドショーのレポーターが「道徳的」な視点から詰め寄って、不倫した人も誰に頭を下げているのかわからないけれど、なんか頭を下げているあのチグハグさがテレビから消えただけでも、さっぱりしてよかったと思いませんか?writer:ひとみしょうmodel:兼島彩香■「ケンカの原因は忘れた」って、それなによ?「それはすでに考え済み」なことって、不倫以外にも恋愛にはたくさんあって、その代表格といってもいいものが、カップルにおけるケンカでしょう。
誰だって「今日は彼氏とケンカしたろ」と思ってケンカするわけじゃないですもんね。
できればケンカしたくないとか、怒り心頭になってしまったらその怒りを静めるのにかなりのパワーを使うからできるだけ冷静でいたいのに、気づくと彼とケンカになっていたとか、なんかそういうことですよね。
つまりケンカがもたらす負の部分のことなんかすでに考え済なのに、つい彼とケンカしてしまう、というのが、カップルにおけるケンカですよね。
仕事柄、カップルのケンカの理由を知る機会に恵まれることがあって、ときどき話を聞くんですが、みなさん「なんでもないことが原因で彼氏とケンカになった」と言います。
で、その「なんでもないこと」とは何かと聞くと「忘れた」と。
ひとりだけ、彼氏とエッチの頻度でケンカになったと言っていた女子がいました。
ありがちな「彼がしたがりさん」ではなくて、女子のほうがしたがりで、彼のほうは「そんなにエッチエッチと女子が言うのはハシタナイし、そういう彼女とは付き合いたくない」とのたまわったそうです。
「したがりさん」の彼氏をお持ちの女子にしてみれば羨ましい話なのでしょうか?■ホントは恋愛の「周辺」が一番おいしい知っておきたいのは「忘れるようなことが原因で彼とケンカをしたところで、どうということはない」ということです。
だって、忘れるくらいの原因なんでしょ?どってことないです、ホントに。
彼とのケンカの原因を忘れていない場合でも、彼とケンカしたからといってどってことないです。
やがて収まるべき場所に収まるから、放置しておいて問題ないです。
若い時って、完結していない出来事にすごく気持ちが奪われがちだということも知っておくといいです。
彼とケンカをしたら、彼との関係はそのことにおいて未完ですよね。
そういう完結していないことに、若いときはとかく心を奪われがちなんですよね。
歳をとるとホントに忘れっぽくなるのか「ああ、そういえば先週、うちらケンカしたね」でおしまいだったりするんですよ。
マジメに言うなら、歳をとると恋愛以外のことで忙しくなるので、気がまぎれます。
だから彼とのケンカのことなんか、1週間も2週間も悩めないです。
それから、これは意外に思うかもしれないけれど、歳をとると若い頃より考え方が柔軟になります。
若い人のほうが考えが柔軟だなんで言う人がいるけれど、それは嘘です。
若いとどうしても自分が興味のあることにしか目が向かないでしょ?たとえば恋愛に興味のある人は恋愛以外のことに気持ちがいかないでしょ?ホントは恋愛の「周辺」が一番おいしいところなのに、そこに目がいかないでしょ?でも歳をとると「周辺」を「おいしかったです」と残らず食べちゃうんですよね。
■恋愛のとてもすばらしいところさらにマジメに言うなら、小さなケンカなんて、彼と100回でも200回でもやるといいです。
ケンカした結果、彼と別れることになるのか、それでも交際が続くのかというのは、小さなケンカにとって「管轄外」のことだから。
別れることになるかならないかというのは、ケンカの何百倍も何万倍も大きな、いわば運命が決めてくれることです。
その運命のメカニズムが誰にとってもよくわからないから、ケンカで一喜一憂するのだと思うけれど、でも運命に関してわかっていることを言うなら、彼のことが好きなら、言葉に出して「好き」と言うことです。
だって、ほかに運命に関してわかっていることってないから。
「好き」「ありがとう」「ごめんね」の3言だけでもまわってくれる、類まれなる感じを持っているところが、恋愛のとてもすばらしいところ。
(ひとみしょう/文筆家)今夜はちょっと、恋の話をしよう(ハウコレ編集部)(兼島彩香/モデル)(お多福/カメラマン)(上杉光美/ヘアメイク)(辻野祐馬/ディレクション)