「聞き上手」を「私、聞き役に徹するいい女」アピールに使ってしまわないように!
「聞き上手な女はモテる」この言葉にはどれだけの”再生回数”があるんでしょうか。
軽く1億回は使われてるんじゃないでしょうか。
YouTubeだとしたら、すさまじいお金が入ってきますね。
さて、そんなどうでもいいタラレバはさておき、私はどうも、この言葉を少し履き違えてしまっている人がいるように思えてなりません。
はっきり言うと、ただの「ねえ、私って男の人の話に耳を傾けることができるいい女でしょ?」という手段としてしか使っていない人がちらほら。
いや、別にそうやってアピールすること自体は悪いことじゃないんですけど、それだと、この言葉の真価を半分も発揮できていないと思うんです。
今回は、そもそも男子は「聞き上手」な女子に何を求めてるんだろってところから紐解いて考えてみようと思います。
writer:遣水あかり■「リズミカルな頷き」がほしい?”聞き役に徹する”というと、まずは盛んにあいづちを打つこと。
こう考えてしまう人がいます。
「これね」「うん」「買ったんだ、新しい財布」「うんうん、すごくいいね」「でしょ?」「うん」「めっちゃ高かったんだけど、すごいずっとほしかったから」「うんうんうん!」たしかにテンポがよい会話ですね。
小気味良いリズムです。
が、「うん♪うん♪うんうんうん♪うんうんうん♪」って、小さな子供のお唄みたいなあいずちをしても、私たちのリズム感覚が強くなって音ゲーは上手になるかもしれませんが、それ以上、何があるのでしょう。
もともとこの”音ゲー型”の聞き役は、キャバ嬢が興味のないおっさんと接していたり、私たちが全然好きでもない男子が延々と話をしてくるのに、なんとかマインドオフの状態で付き合いつつ、しかも相手にとっては「めっちゃ俺の話に聞き入ってくれてるー!」と嬉しいことこの上ないという、そういうシチュエーションでこそ効果があるものです。
ただ、この説明からもわかるようにこの”音ゲー型”は、あくまでその場しのぎ的なもの。
つまらない会話をうまく乗り切るためのものです。
本来は。
このことをわきまえずに、せっかく自分が好きな人と話しているときにもこれを使って、ただその会話のリズムのよさで話し手を心地よくさせることだけに専念していては、聞き役に回ることの真髄には触れることができません。
■「気持ちよくすること」が目的じゃないよじゃあ、聞き役の本当の目的ってなんでしょう。
それは、好きな人のことをもっとよく理解するため以外にはないでしょう。
もともと、人の話を聞くという行為自体が、相手の考え方を知るためにすることなのですから、考えてみれば当然です。
このステップをすっ飛ばして、”話し手を気持ちよくさせる”という表面的なところに注目したら、もったいないです。
だからときには、聞き役の側のあいづちが、相手のトークのリズムを壊すことがあったっていいんです。
むしろ、あって当然。
私の好きな人は仕事の話をよくします。
ただでさえ難しい内容なのに、テンションが上がってるせいかすごく早口です。
なので、はっきりいって英語の授業よりよくわかりません。
実際、たまに「ダーリンは外国人」だったかしらなんて思ってしまいます(思いません)。
そこでたしかに、彼をつまずかせるのは悪いと思って、「うんうん」とわかるふりをして聞いていたら、彼も気持ちいでしょうね。
でも、今だけのテキトーなあいずちをしてたら、いつまでも彼の一番好きなことは理解できません。
私は彼のことを理解したいんです。
そして、その場限りの”聞いてあげられた感”を犠牲にしてでも、「ねえ、どうしてそう思ったの?」と自分が彼について知りたいことを聞く。
そうすれば、いつか彼の仕事の話がちゃんと全部わかるようになって、そうしたら彼も、もっと私に仕事の話を聞いてもらいたいって思ってくれるはずだから。
私は、これこそが「聞き上手な女はモテる」という言葉の本当の意味なんじゃないかと思うんです。
聞き上手な女子は、好きな人のことを誰よりも深く理解してあげられるから。
こういう視点で、ぜひ、好きな人の言葉に耳を傾けてみてください。
(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)