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好調理由は概念に囚われない“配置換え”にあり? 『絶対零度』Pが語る第3シリーズの工夫

『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』7月30日放送の第4話より(C)フジテレビ未来の重大犯罪を阻止する“未然犯罪捜査チーム=ミハン”の活躍を描く、フジテレビ系月9ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』。

初回平均視聴率は10.6%で、同枠としては昨年7月期以来の2ケタ発進。

また、前週の第3話ではさらにそれを上回り、自己最高の平均10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど、好調を維持している。

同シリーズ初参加となる永井麗子プロデューサーに、革新的な物語を展開している本作ならではの試みについて聞いた。

◆安全策をハメにいくことは考えず、自分たちが楽しんで作ることを優先『絶対零度』シリーズは、2010年のシーズン1では“未解決事件”を、翌11年のシーズン2では“潜入捜査”をテーマに描き(ともに火曜21時放送)、今回で3シーズン目。

主演は前2作の上戸彩に代わって沢村一樹が務め、上戸はキーパーソンという形で本作にも出演している。

『絶対零度』はシリーズごとにプロデューサーもチーフディレクターも異なる作品。

もちろん、本作のプロデュースを手がける永井麗子氏が同シリーズに携わるのも初めてのこと。

毎回手がける人を変える理由について、永井氏は「良い意味で『絶対零度』という人気作の概念に囚われないようにするため」と解釈した。

「企画の稲葉直人さんから『絶対零度』の続編をやらないかと話を振られた時、“『絶対零度』のエッセンスは引き継がなければいけないけれど、逆に新しいことをやってもいいよ”と言われました。

そして、これは私自身が思い切り楽しんで作ったほうが良いだろう、という想いにたどり着いたのです」(永井麗子氏/以下同)未来に起こるであろう事件を解決する。

この斬新なアイデアの誕生秘話も聞いた。

「企画の稲葉さんが“未来を予測する話をやりたいと思ったことがある”と発言されたことがきっかけでした。

調べてみると、捜査にAIを活用しようとする流れが世界的にあるとか、ソチ五輪で採用された防犯監視システム『DEFENDER-X』がかなりの精度で予測を的中させているとか、いろいろわかってきて。

ですが、新たな刑事ドラマゆえに産みの苦しみもありました」◆沢村一樹を主演に迎えたことでF3、4層からの支持も通常の刑事ドラマは、殺人事件が起きて遺体が発見され→捜査→犯人を逮捕→犯人が心情を吐露するという流れがスタンダードだが、本作は事件発生前に犯人像が浮かび上がり、なぜ犯行を起こそうとしているのかの謎を引っ張っていきながら、さらに物語が二転三転していく作り。

「ですから、刑事もののスタンダードを引用しようとすると、論理的にうまくいかないことが多々あるのです。

私がこれまで手がけてきた作品のなかで、最も台本作りに時間をかけている作品かもしれません」キャスティングや配役にもこだわった。

例えば、沢村は掴みどころのない二面性のある役を。

横山裕にはミハンシステムに対し「ここはおかしい」と疑問を持つ視聴者の目線を。

本田翼は荒々しい格闘術を身につけた女性に。

沢村や横山が陰のある役なため、その明るさで人間関係に変化をつけた。

柄本時生はデータに詳しい、いじられキャラ。

平田満はうだつが上がらないものの、なんでもできるベテラン。

伊藤淳史はキャリアで、沢村との関係や過去について謎を残し、縦軸の物語に絡ませている。

それらのこだわりが実を結び、視聴率は2桁発進。

視聴者の反応にも満足している。

「ちょっと複雑な話で心配していたのですが、SNSを見ていると楽しんでもらえているのが見て取れました。

最近のドラマの風潮では、週始めに見るドラマはわかりやすくないとダメという感じがありましたが、逆にしっかり作ることで“ながら見”はしないのかもしれません。

今の視聴者は、こちらが驚くほど実はポテンシャルが高いんです。

結果論ですが、私はもともと、良い意味で月9を意識していなかった。

面白ければ観てくれると視聴者を信じて作ったのですが、それが功を奏したのかもしれません」また、沢村を主演に据えたことでF3、4層からの支持も得られているという。

「視聴率不振の時代ですが、それに萎縮したり、安全策をハメにいったりということは考えず、まずは自分たちが楽しんで作ることを優先したい。

現在はテレビ以外に動画配信など、さまざまな出し口がある。

テレビ局同士で視聴率を競い合うのではなく、制作側が刺激を作り、熱量を持ってその刺激を届けることで、結果的に数字に結びつくのではないか、とも考えています」文/衣輪晋一◆永井麗子(ながいれいこ)1978年、京都生まれ。

01年に共同テレビジョン入社、ドラマ制作に配属。

05年春に『世にも奇妙な物語』でプロデューサーデビュー。

『暴れん坊ママ』(07年)で単独での連ドラプロデュースを経験し、以降『JOKERジョーカー許されざる捜査官』(10年)、『謎解きはディナーのあとで』(11年)、『キャリア~掟破りの警察署長~』(16年)など、人気作のプロデュースを手がける。

(『コンフィデンス』7/30号より)この記事もおすすめ「危険すぎる“ドライブデート 森田ワカナの甘い誘惑に虜」>>この記事が気に入ったら、こちらもチェック!今ならなんと初回20%off!「子ども服」をおトクに手に入れるには?定価で買うにはちょっと手がでないブランド服から普段着まで! いろいろ揃ってます。

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