1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」
目次・子どもには遊びでも明確な教育の意図がある・「土台」ができあがれば学習速度が一気に上がる・子どもの成長段階をしっかりと見つめる「子どもの発達に合わせて、そのときにもっともふさわしい教育をする」ことが特徴の「シュタイナー教育」(インタビュー第1回参照)。
実際の教育現場ではどのような授業がおこなわれているのでしょうか。
東京賢治シュタイナー学校で1年生のクラス担任を務める鴻巣理香先生は、その特徴を「世界とのつながりをとおして学ぶこと」だと語ります。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビュー・校内撮影のみ)記事冒頭画像:東京賢治シュタイナー学校校内子どもには遊びでも明確な教育の意図がある――シュタイナー教育では1年生を「ならし期間」としているそうですが、一般の学校とどうちがうのでしょうか。
鴻巣先生:当校には幼児部もありますが、学校にはいろいろな幼稚園、保育所から子どもたちが入学してきます。
ですので、子どもたちの緊張がほどけて「仲間」になるまでには時間が必要です。
そのため、最初に取り組むのは、「共同の生活の場」をつくること。
一般の学校ではいきなり授業がはじまりますよね。
でも、その前の段階が十分にできていないと、まだ幼児の延長上にある1年生は落ち着いて学べません。
学びの特徴として、当校の1年生の席は円形になっていることが挙げられます。
――それにはなにか大きな意味があるのでしょうか。
鴻巣先生:これは「みんなが出会える場所」だということを意識したものです。
入学当初の子どもたちが持っているのは「わたしと先生」という感覚。
「わたしがみんなの一部」という感覚がまだないのです。
だから、みんなが一斉に先生と話そうとする。
そこで、「ひとりずつね」「誰かが話しているときは一緒に聞いてね」と話し、聴くことを練習していくなかで、子どもたちは「みんな」になっていくわけです。
――いわゆる授業の内容はどんなものですか?鴻巣先生:いまお話した、円形に座ってお話をすることが1日のはじまり。
そして、詩を唱えたり、歌を歌ったりします。
これがもう授業なんです。
椅子をしまって「ライゲン」(ストーリーを語りながら動物などを演じる教師を子どもが真似るリズム遊びのようなもの。
※詳しくはインタビュー第2回参照)をすることもあります。
お話をしながらいっぱい動くのですが、子どもたちにとっては遊びみたいなものでしょう。
でも、教師としては、日本語のリズムで詩を一緒に唱えて覚えさせる、体の大きな動きやこまかい動きを練習させるといった、明確な意図があるものです。
… : そして、これらの活動のなかには「共同でやること」、そして「…>>1234>>この記事が気に入ったら、こちらもチェック!今ならなんと初回20%off!「子ども服」をおトクに手に入れるには?定価で買うにはちょっと手がでないブランド服から普段着まで!すぐに着れなくなる子ども服は賢くget!関連リンク夏休みの宿題がサクサク進む計画表の作り方【小学生夏休みの宿題バッチリ大作戦! 第3回】インタビュー:おやつが育む身体と心について【食のまなび探検隊「カルビー(株)」その3】ソニーが“子ども投資”を59年間も続ける深い理由「子ども向けパズル」は教育効果バツグン!? 選び方とおすすめパズル教えます今日から実践! 子どもの可能性をぐんぐん伸ばすための「言葉かけ」