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“歴史好きな子”を育てるには?読書のお供に「地図と年表」を、調べ学習のきっかけに「映画や本」を。

目次・『思い出のマーニー』と歴史への糸口としての童話・昔にタイプスリップ!「お屋敷の不思議」系物語・「過去に出会う物語」で歴史を体験として理解しよう・世界の歴史が楽しく学べる児童書はこれ!・映画や本のお供に、地図や年表を。

調べ学習のきっかけ作り『天空の城ラピュタ』『借りぐらしのアリエッティ』と続いてきた「アニメから入るイギリス児童小説とイギリス社会」。

このテーマでの最終回にあたる今回は『思い出のマーニー』を取り上げたいと思います。

『思い出のマーニー』と歴史への糸口としての童話スタジオジブリ製作の映画では『ハウルの動く城』もまた、イギリスの小説が原作ですが、原作を大きく変更する宮崎駿監督に比べ、『借りぐらしのアリエッティ』と『思い出のマーニー』を手がけた米林宏昌監督は、舞台を日本に移すことはあっても、話の大筋をあまり変えません。

映画を見て興味を抱き、原作へ、という流れが比較的作りやすいと思います。

映画『思い出のマーニー』は12歳の少女、杏奈が療養のために訪れた海辺の街で不思議な体験をするお話です。

孤児である杏奈は学校で孤立しており、なんとなく友達の輪に入れないような気がしています。

持病の喘息もあり、田舎で療養することになった杏奈は、療養先で「湿っ地屋敷」と呼ばれる古い洋館を目にし、なぜかその屋敷を知っていると感じます。

その屋敷で杏奈は、マーニーという名の金髪の少女と友情を育むのですが、マーニーの周囲は何か不思議な現象が取り巻いています。

まだ見ていない読者の方もいるでしょうから、ここから先は詳しくはお話しませんが、『思い出のマーニー』の原作のタイトル WhenMarniewasThere(マーニーがいた頃)が指し示すように、過去が現在と触れ合う物語だ、歴史が鍵になる話である、という程度は言っても良いでしょう。

昔にタイプスリップ!「お屋敷の不思議」系物語『思い出のマーニー』の原作、WhenMarniewasThereは1967年にイギリスで発表されました。

実は映画化が決まった段階では本国イギリスでは絶版であり、忘れ去られた名作に近かったのではないかと思います。

イギリス発の名作児童小説には、時々こういう不思議な現象が起こります。

本国で忘れられた名作が、日本では翻訳で長く愛される、という現象です。

映画化されたおかげで、2014年に英語版も復刊されています。

さて、『マーニー』は、子供が、古いお屋敷で、会うはずのない存在と出会うという物語です。

そういう意味では、前回取り上げた『借りぐらしのアリエッティ』と基本的な構造がよく似ています。

実はイギリスの20世紀の頭から、第二次大戦後しばらくぐらいまでの児童文学には、子供が(大抵お屋敷で)… : 過去と出会う、というパターンの作品群が数多くあります。

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