【全カップルに告ぐ】なぜ男は家事をしないのか?問題への解決策
今回は、どうしたら恋人とラブラブチュッチュな甘い関係を続けられるかという話ではありません。
どちらかというとドライで現実的な、でもものすごく大事な話です。
男性の家事参加率、という点において日本国は驚異的な劣等生です。
その現状をどう受け止め自身の生活に活かすのか、これを機に一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。
writer:川口美樹model:佐々木みう【現状】日本人男性は女性の9分の1しか家事をしていない内閣府が公表している「男女の1日あたりの家事時間の国際比較表」で見ると、(6歳未満の子供を持つ家庭の)夫の家事関連時間は1日67分、とかなり少ないよう。
さらにそのうち39分は育児に費やしており、実際「子育て」以外の家事は28分しかしていないことになります。
男性は女性の259分に対して9分の1しか家事をしていないのです。
また子どもの有無に関係なく、事実婚も含む夫婦6,356人にとったアンケートでも、家事・育児負担率は女性9割、男性1割と感じているカップルが一番多いという結果に。
客観的な数字を見ても、主観的な判断から見ても、日本の男性は女性に比べて圧倒的に家事をしていない、ということがよくわかります。
なぜ日本の男性は家事をしない(できない)のか?原因1:長時間労働で家事をする時間が物理的に取れない一番の問題は、日本人男性の労働時間の長さにあると考えられています。
総務省の調査(※1)によると、共働きの夫婦の場合、男性の労働時間の平均が8時間強なのに対し、女性のそれが5時間弱で3時間ほどの開きがあります。
そして家事時間は男性が15分に対して女性は3時間強。
見事、「労働時間の3時間の差が家事にそのまま当てはめられている」ことがよくわかります。
日本人男性の多くは「家事をしたくない」から家事をしないわけではなく、「したほうがいいのはわかっているけどしたくてもできない」のが本音なのでしょう。
原因2:パタハラ、企業文化、上の世代の価値観マタニティー・ハラスメントならぬ、パタニティー・ハラスメント(通称パタハラ)という言葉を知っていますか?男性社員が育児休暇や、そのための短時間勤務などをすることへの妨害やハラスメントのことをそう呼びます。
日本労働組合総連合会の調査によれば「およそ10人に1人がこのパタハラを受けたことがある(あるいは見たことがある)」ということがわかったそうです。
これは実際に「受けた・見た」と認識した人の割合なので、「職場にそういった雰囲気が漂っている」と感じている割合はもっと多いだろうと思われます。
原因3:親の姿から「そういうもんだ」と思っている僕らの親の世代は「女性が家庭に入り、男性は出世を目指す」という一種の固定概念を社会全体から(良くも悪くも)植え付けられてしまった世代で、家事は男性もするものだという価値観での教育を受けてきていません。
今の30歳以下の世代が当たり前に受けていた「家庭科」の授業が必須科目になったのは、実は1994年からなんです。
そのため、家事は母親がするものというイメージを持ったまま育ってしまった男性は、男が家事をやる必要性をそもそも感じていない可能性があるのです。
【解決】彼にこの事実を共有して話し合ってみようとはいえ僕ら個人が、日本国民の労働時間をどうするかといった、マクロなことを考えても途方に暮れてしまうだけです。
どんな解決策が最適か、それはカップルごとに異なってくるので、ここで僕がそれを伝えることに意味はありません。
大事なことは、これらの事実を共有し家事の分担についてパートナーときちんと話し合い、2人なりの解決策を導くことではないかと思います。
もしあなたが今「彼が家事を手伝ってくれなくて困っている」と思うのであれば、これらの事実を共有して意見交換してみましょう。
ラブラブチュッチュな時間も大変結構ですが、時にはリアルな話をできる関係であることは、それ以上に大事なことではないかと僕は思うのです。
(川口美樹/ライター)(ハウコレ編集部)(※1)『平成28年 社会生活基本調査』