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小栗旬の精神が解き放たれた!?福田雄一監督が振り返る『銀魂2』撮影

●プレッシャーよりも、「リベンジ」という気持ち2017年に公開され、最終興行収入38.4億円、2017年の実写邦画ではNo.1の成績を記録した映画『銀魂』。

漫画家・空知英秋による『週刊少年ジャンプ』(集英社)連載中の同名コミックを原作に、福田雄一監督が実写化のメガホンを取った。

舞台となるのは、パラレルワールドの江戸。

宇宙からやってきた"天人(あまんと)”と侍・坂田銀時(小栗旬)の間に起こるさまざまな事件を描く同作は、破天荒なギャグと熱いアクション、ほろりとする物語で人気を博している。

続編である『銀魂2掟は破るためにこそある』(8月17日公開)は2018年の2〜3月にかけて撮影され、2年連続の公開となった。

原作でも人気の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」のハイブリッドであることが明らかとなった同作。

前作のヒットを踏まえ、制作現場はどのような雰囲気だったのか、福田監督にインタビューした。

○全てが良い方向に結びついた――前作は、2017年の邦画No.1ヒットとなりましたが、その続編をつくるというプレッシャーはあったんですか?前作がヒットしたという感覚がそこまでないので、プレッシャーもなかったです。

本当は、『信長協奏曲』を超えて、小栗旬主演映画史上No.1になりたかったんですが、できなかったので、むしろ、今回はリベンジという気持ちですね。

――リベンジで、前作よりもパワーアップさせようというのは、どういう点に現れていますか?わかりやすく言うと、今回はちゃんとお金の使い方がわかる監督になろうと思って、やりました(笑)。

僕も大作を任せていただくのは前回の『銀魂』が初めてだったし、もちろんあとから「もっとこうすれば」というところはありまして。

『銀魂2』では大掛かりなセットや美術のディテールなど、「ここにちゃんとお金をかけて、頑張ろう」という、バランスを考えて臨むことができて、良い結果を生んでいると思うので、そこが1番の違いですね。

続編って、考えものだとも思うんですが、今回は『2』であったことで悪いことはひとつもなく、全てが良い方向に結びつきました。

万事屋の3人も、真選組のメンバーも、自分のするべきことに何の疑問もなく入れていました。

また素晴らしいことに、前回ボケ担当だった真選組がシリアスな主軸になっていて、逆に前回シリアスだった万事屋の3人がボケ倒している。

2作合わせて、幸せな形になったと思います。

●「人生を狂わされた」小栗旬○現場に楽しみに来た人みたい――出演者のみなさんは気合いが入っている様子でしたか?不思議なくらい、気負っていなかったです。

小栗くんが一番なかったですね。

今回、とても自由でした。

――それは、万事屋がボケを担当しているという、物語の立ち位置的なところもあったんでしょうか。

ずっと、「今回は賑やかしだから」と言ってました(笑)。

――撮影していて「小栗さんのここが良かった」というのはどんなシーンでしたか?コメディパートは全部良かったですよ。

「人生を狂わされた」と言っていましたが、「小栗旬って、こんなに面白い役者でしたっけ?」と思いましたもん。

トータルで観て、小栗旬が一番笑える映画です。

――このそうそうたる面々の中で(笑)佐藤二朗さんでもなく、ムロツヨシさんでもなく、小栗旬さんが一番笑える、摩訶不思議な映画ですね(笑)。

「俺は賑やかし」という思いが、彼の役者としての精神を解き放っちゃったんだと思います。

――精神を、解き放つ。

深い話ですね。

床屋のシーンの銀ちゃんは、本当にすごいですよ。

「僕は軸をぶらさないことには定評のある役者です」と言っていて、面白がってやってくれたんだと思うんですけど、一言一言、キャラが変わっていって、現場に楽しみに来た人みたいな感じでした(笑)。

それはそれは、すばらしい活躍を見せています。

○「真選組動乱篇」を完成させる楽しさ――今回最初にシリアスパートを撮影して、最後にギャグパートの撮影だったと伺ったんですが、その順番も関係しているのでしょうか?前作と逆だったので、そこは良かったと思います。

小栗さんはクランクインした時に決戦シーンを撮って、撮影が進むに連れて賑やかしパートになっていく(笑)。

最後の方の撮影をだいぶ楽しみにしてくれていたみたいですよ。

大阪でキャバクラのシーン、京都で床屋のシーンを撮って、ずっと笑っていられる夢の関西ツアーでした。

とにかく現場では、笑った記憶しかない。

映像を撮っていてここまで笑った記憶ないですし、途中笑いすぎて頭が痛くなって頭痛薬を飲みましたから。

――健康を害するくらいに笑えるってすごい現場ですね。

ずっとみんなの笑い声が聞こえていました。

前作は初回だし、原作を背負っての緊張感もあっただろうけど、みんなそれぞれ自分の中に役をなじませた状態だったので、より楽しく撮影ができたんじゃないでしょうか。

吉沢亮くんも、自分の殺陣のシーンを撮り終わると、陸上部みたいな走り方でモニターまでやってきて「またこれ、かっこいいなあ~」と楽しそうにチェックしていました。

僕が「またモテちゃうんじゃない?」と言うと、「……モテちゃいますねえ~」みたいな(笑)。

柳楽くんも、春馬くんも、殺陣を本当に楽しんでいたし、コメディパートだけじゃなく「真選組動乱篇を完成させるためのプロセス」をものすごく楽しんでいたのだと思います。

■福田雄一プロフィール1968年生まれ。

栃木県出身。

90年に旗揚げした劇団ブラボーカンパニーで座長を務める傍ら、フリーの放送作家として数多くの人気バラエティ番組の構成を手掛ける。

09年には自身の舞台を映画化した『大洗にも星はふるなり』で監督デビュー。

テレビ東京系の深夜のドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズ(11~16)の大ヒットで人気を不動のものに。

2017年には、映画『銀魂』が年間実写邦画ナンバー1を獲得した。

18年には、映画『50回目のファーストキス』がヒットしたほか、『聖☆おにいさん』『今日から俺は!!』の実写版ドラマなどが控える。

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