「もっと愛してほしい」と言うと彼はドキッとして愛してくれる
LINEの既読無視問題に代表していただいてもいいのだけど、恋愛って「言わないと始まらないこと」で満ちています。
LINEを既読にしたのなら、スタンプ1個でいいからなにか返信を送ってきなさい――彼女が彼にこう言わないと、彼はいつまで経っても「ああ、読んだから既読になっただけで、返信はあとからまとめてするからそれでよくね?」と思ったままです。
男ってある意味ではそういう雑なコミュニケーションを「ふつう」と思っているところがあるから。
writer:ひとみしょう■なぜなら、彼は愛し方を知らないからです彼ともっとラブラブになりたい人も同じです。
たとえば彼が「仕事が忙しい」と「言い訳」ばかりして、月に1回しかデートしてくれないとか、仕事が忙しいからLINEの返信ができないと言った時、あなたは心のなかで「わたしが我慢すればいいのね」と思っている場合ではないということです。
なぜなら、彼はあなたが我慢していることを知らないからです。
それがなぜかといえば、彼は何ひとつ悪気があってデートを月1回にしたり、LINEの返信をしなかったりしているわけではないからです。
さらに、それがなぜかといえば、彼は愛し方を知らないからです。
具体的に言えば、彼は「女」という生き物の特質を知らないからです。
■女子に関して、なんらリアルな実習をしてこなかったのが男子です中高生くらいからわりと女子にモテて、女子と交際してきた男子は、思春期からおいしい思い&痛い思いをしつつ、女子の特質を学んできました。
たとえば「他の女子とおれが話をするだけで彼女は嫉妬して怒るんだ……そっか、女子ってこういう時に怒るのね。
よし、気をつけよう」と「学習」してきました。
あるいは、草食系男子みたいにいつまでも女子に手を出さなかった場合、女子が不安がって抱いてほしいと強く思うというのも彼は学習してきたので、オトナになって仕事が忙しくても、彼は定期的に彼女と会って彼女の心身を愛でるというのも「仕事のうち」と思っていたりします。
でも、多くの男子は中高生時代に、そんな「おいしい思い&痛い思い」なんてしてこなかったのです。
彼女と付き合っているごく一部のかっこいい&ラッキーな男子を、遠くから指をくわえながら眺めつつ「おれも『女というもの』と会話してみたいなあ」とか、「おれも女子に触れてみたいなあ」とか、そんなことを夢見ていたにすぎません。
そのような「女子に関して、なんらリアルな実習をしてこなかった男子」が、オトナになっていきなり女心が理解できるはずがないのです。
つまり彼女が彼に「女心ってこういうものなのだから、LINEに既読をつけたらスタンプ1個でもいいから返してきなさい。
でないと、女子ってとっても哀しむんだから」と言わないと、彼はなにもわからないのです。
■世の中のカップルって、おしゃべりしなさすぎです「彼にもっと愛してもらいたい」と思っている場合もそれとまったく同じで、「もっと愛してよ」と言わないと、彼は「おれはそれなりに彼女のことを愛しているから、今週も仕事でデートできないけど、まあいいか」としか思わないのです。
見ていると、世の中のカップルって、おしゃべりしなさすぎです。
たとえば彼の態度がちょっと冷たくなった場合「なんで最近そんなに冷たいの?」と彼にストレートに聞く人って少なくて、多くの人は心の中で「わたし、なにか彼に悪いことでもしたかな」とか「彼の心変わりでわたしは振られるのかな」と思うだけですよね。
彼にもっと愛してほしいのなら、「もっと愛してほしいです」と言うことです。
言わないと彼は気づかないから。
言うと彼はドキッとしてもっと愛してくれるようになります。
なぜドキッとするのかといえば、「彼女がおれのことをそんなふうに思っているとは夢にも思っていなかったから」です。
男女双方の「言わなくてもわかってくれているだろう」とか「愛しあっているふたりはきっと、同じものを同じように見ているだろう」という思い込みって、ある意味では美しいものだけど、別の意味においては危険すぎるほど危険なのです。
(ひとみしょう/作家)『今夜はちょっと、恋の話をしよう』(ハウコレ編集部)