去る男は追わないくせに、振る勇気が出ない女でした【トイアンナのしくじり恋愛】
こんにちは、トイアンナです。
私ほど振られ上手な女っていないと思うんですよ、自分で言うのもなんですが。
別れようと言われて、ぜってーーー浮気してるだろコイツ! と勘づきながらも「うん、別れたいんだ、いいよ」と受け流したこと2回。
証拠を手にして突きつけたこともありますが、最後は浮気相手の女性にお譲りしました。
まあ、譲る、あげると言っても彼氏はモノじゃありませんし、最後は彼が決めること。
しょうがない……といって失恋を受け入れてきたのです。
writer:トイアンナ振られ上手は、振りベタであるでも、今なら堂々と言えます。
振られ上手は、振るのがとってもヘタなのです。
むしろ険悪になってくると、「どうにかして振ってもらえないかな」と願うだけで、自分からは行動を起こせなくなる。
私なんて口説くときは自分からデートへ誘うくせに、振るとなったら圧倒的受け身姿勢。
動かぬこと岩のごとしです。
私はいま婚活をしています。
それまで6年も同じ男性と付き合っていたので、恋愛市場へ飛び込むのは久しぶり。
こりゃあ、腕が鳴るぜ、と思いきや……ぜんぜん振ることができません。
この年になれば、いくら何でも自分が丸い人材じゃないことはわかっています。
このトゲトゲした人間に付き合いきれる殿方は人口の0.1%くらいなはずです。
ですから男性と会っても1回目のデートで「もうだめだ、彼は私で消耗してしまう」と断念します。
断念するけど、切れない。
何ならLINEのやりとりすら辞められない。
彼以外を探そうと思って増えるメッセージ、溜まる未読。
不眠、食欲減退、悪夢にゆううつ、もうだめだ。
気づけば私の手は心療内科へ電話していました。
嘘みたいですが、マジな話です。
婚活でお断りできなくて病むって何だよ!!!「私なんかに、振る資格なんてない」いったいなぜこんなオモシロ事変が起きたのか。
それは深層心理で「私が男性を振る資格なんて、あるはずない」と思っていたからです。
告白は相手も喜んでくれるかもしれません。
けれど振る行為は100%相手を傷つけます。
絶対に人を傷つける行為を、自分なんかがやってもいいのか……? しかも性格が合わないごときで……? DVもモラハラもないのに? と、モヤモヤしてしまったわけです。
何週間もモヤモヤしていた私が吹っ切れたのは、ある出来事がきっかけでした。
先日、街中を歩いていたところ目の前で女性がぶっ倒れたのです。
10年以上前に受けた救急救命をなんとか思い出しながら、必死で心臓マッサージをしました。
途中で救急隊員へバトンタッチしたので彼女の安否はわかりませんが、そのとき「私は何を悩んでいたのか」と吹っ切れました。
ひとの生死に比べたら、振る・振らないのなんとどうでもいいことか……。
それから私は「お付き合いできません、ごめんなさい」のLINEを何件も送りました。
送ることが、できました。
悩みは、自分ひとりでグルグル回っているときは大きく見えます。
けれど呆然とするほどのショックを受けると、心が気づいてくれるのです。
「それどころじゃない、お前の悩みは結構小さいぞ」と。
もともと親との愛着問題を抱え、自尊心がマイナスから始まった私。
これからも少しずつ自分の心を育てて、いつか真人間になりたいなあと思っています。
(トイアンナ/ライター)(ハウコレ編集部)