「いつ別れてもいい」と思えることが、今の恋を最高のものにする
「いつか私たちにも別れる時が来るんだろうか?」そんなことを考えたことはありませんか?「今は別れる要素なんてほとんどないけれど、それでももし、何かのきっかけで別れることが有るのかな、だとしたら嫌だな」誰かの別れ話を耳にした時、そんな不安に駆られたことはないでしょうか?そして「あぁ、こんな暗いこと考えちゃダメダメ!」と邪念を振り払ったことはないでしょうか?今日は、そんなあなたに朗報があります。
実はその「別れるかもしれない」という不安を利用して、今の幸せをより幸せにする方法があるんです。
writer:川口美樹幸せに関して行われたハーバード大学での実験本題に入る前に、幸福度に関してハーバード大学で実施された面白い実験をご紹介しましょう。
ハーバードで新しく開設された写真の授業には二つのコースがありました。
学生はどちらのコースでも最終的にお気に入りの一枚を選ぶことになるのですが、コースによって選び方が異なります。
Aのコースは、撮って現像した写真の中から二枚を選び出し、数日間の間でどちらに絞る方法。
Bのコースは、撮って現像した瞬間に一枚を選びだし、そのあとは一切変更ができないコース。
事前にどちらのコースに入りたいかを確認したところ、3分の2(66%)の学生がAのコースを選びました。
ここまでは、「そうだろうな」という印象を受けますよね。
では、実際に学生がその選んだお気に入りの一枚を好きになる度合いは、どちらのコースの方が強かったと思いますか?…もう、お分かりですね?そう、お気に入りの一枚を好きになる度合いが強かったのは、一枚を即決しなくてはならないBのコースだったのです。
人は制限の中でこそ、より輝く人生を描くことができる実は、人は「なんでも自由に選べる」時よりも「これしか選べない」時の方が幸福度が高まる傾向にあるんです。
なんでも自由に選べる時は、「あっちにすればよかった、こっちにしなければよかった」という思考になりやすいのに対して、選択肢が限定される時は「どうせこれしか選べないのだから好きになろう」という心理が働くんですね。
これは「恋愛結婚よりもお見合い結婚の方が離婚率が圧倒的に低い」という事実と無関係ではない話です。
恋愛結婚は恋人を数ある候補の中から自由に選べる一方で、お見合い結婚はかなり絞られた候補の中から決めることになります。
お見合い結婚の方が、「選択肢が限られている」ぶん、幸福度が高くなり、離婚率も下がるということなのでしょう。
彼との関係に仮の制限を設けて、幸せ度をUPするさて、前置きが長くなりました。
この「制限がある方が幸福度が上がりやすい」という性質を利用して、今付き合っている恋人との関係をぐっと良くする方法をご紹介しましょう。
それは、「今の恋に期限を設けること」です。
僕は妻に永遠の愛を誓える自分を信じていないので、一年区切りで愛を誓うことにしています。
具体的には「この一年だけ、彼女を裏切ること、悲しませることはしない」と誓うのと同時に、「この一年間で、それが守れなければ、妻から別れを切り出されるかもしれない」という危機感を持つようにしているのです。
これによって「この先50年も60年も愛し続けられる」という自由度の高さを、意図的に「もしかしたら1年間しか愛せないかもしれない」という制限の中にぶち込んでいるわけですね。
実際に妻に公言しているわけではありませんよ。
勝手にそう思っているだけです。
恋に期限を設けることで努力を怠らないようになるこの期限があることで、今の関係にあぐらをかくことなく、よりより関係を作ることに努力するようになります。
そしてこの期限があるおかげで、コミュニケーションの一つ一つが愛おしく、とても大切なものに感じられるようになります。
大好きな人とする何気ない朝の挨拶も、ハグもキスも、「あと一年後にはできなくなるのかもしれない」と思うと、途端にかけがえのないものに見えてくるんです。
そうすれば何気ない日常に幸せが転がっていることに気づきますし、相手に感謝できる回数も増えます。
これを死ぬまでずっと続けようとできる自信がないのですが、一年だけならできる気がするので、その一年をずっと続けていこうと思っているのです。
いつ別れてもいい、と思えることが今の恋を最高のものにする「もし別れることになったらどうしよう」とネガティブに考えてしまうことは、見方によってはそんなに悪いものではありません。
むしろその不安を利用して「別れることなるかもしれない」という危機感を持つことで、自分を律し、今の彼に真剣に向き合う気持ちを強めることができるのです。
今の彼に集中できれば、いつ別れてもいいと思えるほど、彼を好きになる努力を怠らなければ、あなたの今の恋はもっともっといいものになっていきます。
それでも別れる時は別れます。
その「もしも」が来た時に、「でもわたし、一生懸命愛して来た自信があるから、悔いはないわ」と胸を張れる恋をしましょう。
(川口美樹/ライター)(ハウコレ編集部)