私たちが近い将来、アンドロイドと恋するようと思う3つの根拠
僕は休みの日にお気に入りのYouTuberのゲーム実況を見るのが趣味なのですが、最近何人かの実況者がプレイしているゲームに『デトロイトビカムヒューマン』というタイトルがあります。
このゲームの設定は、2038年のアメリカ。
「人間に奴隷のように酷使されていたアンドロイド達が、そのうち感情を持ち人間に反旗を翻す」というよくある設定なのですが、登場人物に、実際の名だたる俳優さん達が演じている映像をCG化する技術を使っているので、本当にリアルで『本当に近い将来人間とアンドロイドが共存する未来が来そうだ』と思わされます。
さて、そのゲームの中で、アンドロイド同士が恋に落ちたり、人間が感情を持ったアンドロイドに友情や愛情を感じるシーンが度々登場します。
ここで、僕はふと思うわけです。
「2038年、今から20年後に僕たちはアンドロイドと恋に落ちるようなことがあるのだろうか?」と。
今回は、そんなちょっとSFちっくだけど、他人事ではない話。
writer:川口美樹気づかないうちに科学技術がすごいことになってる今、僕らの知らないところでいろいろな科学技術が進んでいて、「人間の関節の動きをほとんと再現したロボット」、「人間の声帯や喉の形、鼻腔を再現して人間の出せる音の再現に取り組む研究」、「60種類以上の表情のバリエーションを持つアンドロイド」など、「これもうほぼ人間じゃない?」と思えるほど形になってるものがたくさんあります。
動画で見た方が実感できると思うので「オトナロイド」や「ソフィア 人工知能」などで検索して見てください。
この科学技術がこのまま進んでいけば、20年後には(あるいはもっと早いかもしれません)見た目はほとんど人間と変わらないアンドロイドが作られることは、ほぼ間違いないと言って良いでしょう。
ロボットは感情を抱くようになるのか?アンドロイド研究の第一人者であり、英国Synecticsに「世界の100人の生きている天才」で日本人最高位の26位に選出された石黒教授は、インタビューで「感情というのは最も速い通信手段」「アンドロイドに感情がないと意思疎通がしにくくなる。
だからアンドロイドには言葉よりも、まず感情を与えるべきだと思う。
」と答えています。
(*1)ただし、当面はロボットの感情表現は「感情表現しているように見える機能」でしかありません。
そもそも人間自身が人間の心とはなんぞや?を理解していないので、人間の心を模倣したような装置を作ることはできても、心それ自体を生み出すことはできないのではないかと思います。
ただし、人間の心を「持ったように見える」それを見た人間はどう思うか?というのは別の問題です。
人間は無機物に感情移入する生き物である10年ほど前に大ブームになった犬型ロボットの「AIBO」。
当時は今ほど人工知能もロボット工学も進んでいなかったにも関わらず、その飼い主になった人のほとんどは「AIBO」に愛着を感じていたと言います。
VRの世界で女子高生と会話した時に「息づかいを感じた」(*2)という人がいるように、僕たちの脳はそこに実際に起こってないことでも、一旦「ある」と脳が認識してしまうと五感を通じてその感覚を感じてしまうようになっています。
つまり、人間と見分けがつかないほどリアルなアンドロイドが人間の心を模倣した感情表現をすれば、人間には人間とコミュニケーションをしているとしか思えなくなるのです。
そうすれば当然「彼女(アンドロイドです)は僕を愛しているんだ」「彼(アンドロイドです)と私は一生を誓い合った仲なんです」と主張する人は当然出てくるはずであり、僕らがそうなってしまう可能性は十分にあるのです。
大事なのは自分の心との向き合い方ではもし、僕たちがアンドロイドに恋をしてしまったらどうしたら良いのでしょうか?今でもLGBTに代表される様々な恋愛観・結婚観が認められてきているわけですから、当然未来の恋愛観・結婚観も多様化していくはずです。
その時に大事なことは「自分の心といかに向き合えるか」ということだと思います。
恋愛の対象がVR内にいようが機械だろうが、自分の感じた心はリアルそのものであり、そこに嘘をつくことはできません。
「人と違うこと」を認め、仲間を集め、勇気を出してそのことを表明し前を向いて生きていく。
そういった「生き方」を身につけていくことぐらいしか、これからの不透明な未来に向けて僕らが準備できそうなことはないのではないかと思うのです。
(川口美樹/ライター)(*1)【ギズモード】「ロボットに感情は必要なのか?アンドロイド研究の第一人者に聞いた」https://www.gizmodo.jp/2014/08/almosthuman.html(*2)【FULLDIVE】「VRで脳が完全に騙される『クロスモーダル現象』とは?」https://fulldive.info/column/crossmodal-perception(ハウコレ編集部)